思考の消化器官

“すぐ後でふれる多巣性のアリを除き、ハチは強い閉鎖性を持つ家族を連合させて上位集団を形成する試みをとらず、改変を家族内に留め、そのかわりこのみちをとことんまで歩んだ。こうして高次社会性のハチの家族集団は、人間以外の脊椎動物が実現しなかった複雑さをうみだした。それは集団規模の増加と、カースト文化の徹底化のみちをたどる。 まず家族の大きさ。一部のコハナバチでさえ、最大の家族（コロニー）は数百のメスを含む。すでに人間の単一家族の枠を超えた規模だ。スズメバチ・マルハナバチ類では数千になることがあり、ミツバチでは五〇〇〇から二万、アリではさらに大きくなり、その極限といってよいアフリカのサスライアリでは、台湾の総人口に匹敵する二二〇〇万に達する。それでもこれは単一家族なのだ。しかも大コロニーを造るアリに多い複女王性を採らず、たった一匹の女王しかいない。 さらにアリには巣間敵対性が弱く、いくつかの巣間で

[downist]

家族、超巨大！