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おみそ汁
molbiol.hatenablog.com
博士課程に進学する人の憧れ、学振DC。通称学振。これは月に給与が20万ももらえる素敵な制度で、さらに研究費もつくというスペシャルな待遇である。「学振持ち」なんて言葉があるが、学振が無いと収入がゼロになる(RA、TA等を除く)ので、これがあるかないかで博士課程在籍時の暮らしっぷりは変わる。 自分は残念ながら学振DCに採用されることが無かった。当時は負け組であると自覚している。それはそれはつらい生活で、修了後の借金に怯えながら日々戦っていた。ということで恨みを込めて学振DCの批判をしよう。 実は学振DCが何のために存在するのか知らないし調べる気もないのだが、おそらく優秀な研究者になるであろう者が研究に専念できるように金銭を補助するという意図であろう。もしそうであるのならば、学振DCは機能していないケースが多い。 まずはこの20万円という金額。もちろん就職組にはかなわないが、それなりの収入であり
少し前(多分海外学振の締切前くらい)から、海外学振に関する話題を色々なところで見る。実は私は海外学振経験者であるが、どうも昔のイメージが違って評判が良くないようだ。私は海外学振にはすごく助けられたというか海外学振が無かったら今の自分は無かったであろう。さらには最近の海外学振は私の頃よりもはるかに融通が利くようになっているみたいだ。ということで私が持っていた海外学振のイメージを適当に書いてみる。 まずは申請について。「学生が申請するには厳しいスケジュール」とあったが、確かにその通り。なぜ海外学振だけ少し締切が早いのだろうか?ただ採択される人の業績を考えると、とっくに修了が確定しているレベルでないと厳しいかも。ギリギリで大きな論文が通った人は焦らずともチャンスは十分ある。私を含め私の周りでは日本国内でポスドクをやってから海外学振を取るケースしか知らない。 採択の難易度について。私達の分野では細
前回、前々回と査読の時に不正を偶然見つけたという体験記を書いた。 査読で不正を見破ったときの話1 - 生物学研究者の言いたい放題ブログ 査読で不正を見破ったときの話2 - 生物学研究者の言いたい放題ブログ 一部の読者である同業者の方や、検索で来た同業者の方と情報というか経験を共有できれば程度に思っていたのだが、予想以上にはてなブックマーク等の反響が大きくてびっくりしている。その中でいただいたコメント等のうち、いくつか気になるものというか、こちらからの意見を書いた方が良いかと思うものがあったので今回はそれらについて淡々と書いていく。 まずは査読で不正を見つけた論文の著者達だが、幸いなことに3報とも日本人ではない。すべて外国人(所属も外国)の論文である。さすがに同じ分野の日本人であれば何らかの形で告発するだろう。 また「査読で不正を見破ったときの話1」の最後に書いた不正論文の著者らの先行論文に
ネガティブなことは書きたくないので、今日から一年間のリベンジのために記しておく。 タイトルの通り今年度の科研費不採択であった。言い訳は色々あるが、とにかく悔しい。もう既に気持ちは切り替えたので来年度のリベンジに燃えている。 問題は今年度の研究費である。私の場合はこれまでに地道に色々お金を集めたため、使用期限のない寄付金がそこそこある。使用期限がないので貴重ではあるが切り崩さざるを得ない。科研費と比べると額は少ないが、節約すれば何とかこれで今年度は乗り切れるだろう。 それにしてもこの寄付金が無かったらと思うとぞっとする。所属する大学や部局にもよるのだろうが、私の所属する学部から交付される研究費は想像を絶するほど少なく、全く研究にならない。つまり次の科研費が採択されるまでは「研究者としての死」に近い状態となってしまう。弱肉強食の世の中とはいえ、ずいぶん厳しい。実はこれまで公的な研究費を切らした
前書きは省略。前回の記事を参考にして欲しい。 2つめ、3つめのケースはコピペ。つまり剽窃だ。 2つめのケースでは少なくとも1段落丸ごとコピペされていた。不正を感づかせたポイントはただ1つ、単語間にスペースがなかったり、不自然な改行があったり。もはや人に見せる体のものとは思えなかった。 「いったいこの著者に何があったのか?」 「間違ったファイル形式のものでもアップしたのか?」 「読みにくいから文章くらいしっかり書かせろってエディターに連絡しようかな...」 などと考えている時にピンときた。 「これはPDFからコピペした時にたまになるやつや」 適当な文章をGoogleに放り込んだら見事にヒット。元ネタのURLをエディターに連絡して終了。所要時間は10分程度。時間は短いけどこんなことに使いたくないよ。多分、その段落以降もコピペだと思うがチェックしていない。 3つめのケースは自分の論文からコピペさ
査読は面倒だ。最近はいくつかの雑誌でその年のreviewerリストを公開しているようで、それなりの雑誌に名前が載っているとうれしいのだが、それ以上でもそれ以下でもない。ただ現状では査読システムがないとうまく科学が回らないのも事実で、科学に少しでも貢献できればと思って自分の時間を削ってでも基本的に引き受けることにしている。 そしてこれまでに査読において3回「不正」のある論文に出会った。後進のためにも情報を記そうと思う。 1つめは少し前の話。査読で回ってきた論文がいわゆる捏造論文だった。研究室レベルでは過ちが起こらないように性悪説に基づいた対応も必要かと思うが、査読は性善説に基づいて行われる。いつぞやの事件の時になぜ査読者が捏造を見破れなかったのか?などと世間でも問題提起されていたこともあったが、そんなものは査読者の義務ではない。 ということで基本的によほど怪しい論文以外は捏造を疑いもしないの
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