「ウサギ」「ガリ」「懲役太郎」…。小泉龍司法相は2月、刑事施設に収容されている受刑者や施設職員が使っていた35の隠語や俗語について、使用を廃止すると発表した。名古屋刑務所の受刑者暴行問題を受けた刑事施設の在り方を見直す一環。特有の言葉遣いを改めることで、受刑者らの更生に生かすのが狙いという。 言葉と心「人間の心や精神は言葉とつながっている。言葉がゆがんでいれば、考え方もゆがみ、虐待的行動が誘発されかねない」 小泉法相は2月の閣議後記者会見で、刑務所内の言葉遣いを見直す意義を、こう強調した。 今回、刑務所などの刑事施設で使われてきたが廃止されることが決まった隠語や俗語は、35語ある。 目につくのは、動物にまつわる言い回しだ。脱兎のごとく逃げる姿をイメージしたかのような、施設内からの脱走を示す「ウサギ」。手紙を秘密裏に回すのを表すのは「ハトを飛ばす」という。私語を意味する「アゴ」など、体の一部