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と言いますのも、先月亡くなった私の父も、施設に入るまでは車いすで海外旅行をしたり、劇場やレストランに足を向けたりすることも多かったんですよね。 車いすを押す羽目になる私も、身体が不自由になる前と同じように活動しようとする父の要求はそう簡単には実現しないので、施設や空港、旅行代理店と事前連絡がてら折衝したり、移動手段を綿密に手配したりと、不要に発生する「ロジ」に奔走していました。 思い返せば、13年5月に著名な障害者でもある乙武洋匡さんが「車いすだからと入店拒否された」として飲食店を名指しで批判して騒動になったり、21年3月にJR東日本の無人駅で下車しようとしたところ、事実上の拒否にあったとして、同じくJR東日本を名指しで非難した伊是名夏子さんが炎上したりしていました。 17年6月には、バリアフリー研究所を名乗る男性が格安航空会社に故意に事前連絡を怠ったにもかかわらず、なぜか朝日新聞が「車い
2023年の出生数(速報値)は8年連続の減少で75.8万人と過去最少となった。 作家の橘玲氏はインタビュー前編で「性愛格差こそが未婚者急増の本質」と語った。 橘氏が懸念するのは、一人の男性と一人の女性が結婚し、子どもを産み育てるという「一夫一妻制」を前提にした現代社会の崩壊だ。打開策はあるのだろうか。インタビューを2回に分けて掲載する。(JBpress) (湯浅大輝:フリージャーナリスト) 【前編】モテ男とエロ資本あり女しか結婚できない悲劇、橘玲氏「少子化は自由恋愛の帰結、弱者男性と上方婚女性が大量発生」 「自由恋愛」が破壊した結婚の価値観 ──前編で橘さんは、自由恋愛は自己責任であり、結ばれるカップルの数が減っていくのは自然の流れである、と説明されました。解決策はあるのでしょうか。 橘玲氏(以下、敬称略):社会がリベラル化し、「自分らしく生きるのが素晴らしい」という価値観が広まれば、若い
JBpressで掲載した人気記事から、もう一度読みたい記事を選びました。(初出:2022年11月21日)※内容は掲載当時のものです。 2022(令和4)年9月23日、西九州新幹線・武雄温泉~長崎間が開業した。九州新幹線長崎ルートの未開通分のほか、北海道新幹線の札幌延伸工事も進められている。さらなる新幹線の建設が、国政の場などで検討される日が来ることもあるだろう。だが、想定した需要がなく仮に赤字が生まれた時に誰が負担するのか。新幹線開通後に並行する在来線をどう維持するのか。日本が好景気にあった昭和40年代の発想から変わらないままでいいのか。(文中敬称略) (池口 英司:鉄道ライター・カメラマン) 東海道本線の救済を目的に建設された新幹線 開業した西九州新幹線・武雄温泉~長崎間69.6営業キロの間に設置された駅は5駅。6両編成の「N700S」で運転される「かもめ」は全線を最短23分で走破する。
(ジャーナリスト・吉村剛史) 中国では秦剛前外相に象徴されるように高位高官といえどもある日突然所在不明となる事例が珍しくない。それが私たちの身近な人物となれば、うす気味悪さはひとしおだ。 神戸学院大学(本部・神戸市中央区)の中国語各コースなどで教鞭を執る大物中国人教授が、昨年夏休みに一時帰国して以降連絡が取れなくなっていることが3月16日までに関係者らの証言でわかった。中国当局に身柄を拘束された可能性もある。 大学では昨秋以降他の教員に担当講義をカバーしてもらってきたが、新学期を目前にしてもなお連絡がつかず、困惑の色を一層濃くしている。 学内の「名物教授」は学外でも「名士」 所在不明となっているのは神戸学院大学グローバル・コミュニケーション学部グローバル・コミュニケーション学科で「中国語の古典と伝統」をはじめ、中国語の初級から応用表現にいたる各コース、ゼミなどを担当してきた胡士雲教授。
2018年夏、愛媛県の肱川流域で、ダムの「緊急放流」により5人もの命が奪われた。5年が過ぎた今、それは人災だったと問い続けている遺族がいる。 緊急放流による氾濫で流された夫 「裁判のきっかけは、被害がダム操作で起きたことを知ったことです。知識がない状態でしたが、人災であることをはっきりさせたいと思った」 そう語るのは、国土交通省四国地方整備局(以後、四国地備)が管理する野村ダム(西予市野村町)の緊急放流で夫を亡くした入江須美さんだ。 2018年7月7日当日の朝、須美さんは仕事場に呼ばれて朝6時前に自宅を出た。4日夜から雨は肱川流域に断続的に降り続けていた。 「私が家を出る前、夫が川を見に行き、少ない放流を見て近所の人に『まだ大丈夫だ』と言っていたのを聞いているんです」(須美さん) 家を出てしばらく行くと、土砂崩れで先へ進めなかったため、仕方なく自宅に引き返そうとした。家にいた夫とは、携帯電
第2ステージに入ったチャットGPT 2023年はチャットGPTの話題一色という感じでしたが、今年に入ってチャットGPTを具体的に利用しようという動きが出てきました。 第2ステージに入ったと言ってもいいでしょう。 人工知能は利用してこそ価値があります、だからこそ何に利用できるかということが大事なのです。 人工知能としての凄さは分かりましたが、何のために使ったらいいかということが分かりません。 人工知能は人類最後の発明とも言われているので、人工知能と一緒に何かを成し遂げなければ宝の持ち腐れになってしまうのです。 私は起業家こそ人工知能を最大限に利用すべきだと思っています。すべてのシーンで、人工知能を活躍させる余地があるのです。 起業家および経営者は、自分以外の人に何かをやらせることによって成果を出してきました。 他人のリソースを利用して、自分の夢を実現してきたのです。 自分が何かをできるという
北陸新幹線は日本の大動脈でもある東海道新幹線が災害や事故などで不通になった際のバックアップという役割から、1970年代に東京─大阪間を北陸経由で結ぶ新幹線として計画された。 計画から実現までには長い歳月を要し、ようやく1997年に高崎駅―長野駅間が開業した。1997年に長野駅まで先行開業したのは、翌1998年に長野五輪の開催を控えていたことが大きな理由だ。東京駅―長野駅間を新幹線一本で移動できるようになれば、首都圏から多くの観戦者を期待できる。そんな政治的な思惑があった。 長野駅までの部分開業を果たした一方で、肝心の北陸3県に新幹線は到達しておらず、長らく新幹線は長野駅発着だった。そのため、北陸新幹線という名称は紛らわしく、長野県を中心に“長野新幹線”と呼称するムードが支配的になっていた。 しかし、長野新幹線という呼称が定着してしまうと、長野駅以遠が延伸されずに終わってしまう可能性も否定で
M87ブラックホールの輪郭。左側が2017年4月、右側が2018年4月の写真(提供:EHT Collaboration/SWNS/アフロ) 2024年1月20日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)による日本の無人月面探査機SLIM(スリム)が月面に降り立ち、日本列島は歓喜と興奮に沸いた。2024年2月29日現在も、SLIMは月面から様々なデータの送信を断続的に続けている。それらのデータは、月の起源を明らかにする研究への活用が期待される。 とはいえ、宇宙は恐ろしく広い。地球からわずか38万km、約0.00000004光年離れた月の詳細ですら、我々はまだ知らない。となれば、138億光年先まで広がる宇宙は、さらに謎に包まれている。 松原隆彦氏(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所教授)は、シンプルな疑問をそのままタイトルにした書籍『宇宙とは何か』(SBクリエイティブ)を上梓した。宇宙とは
この上の図は、私の研究室の博士3年生、イジンヨンさんが作った「脳のゆらぎ」のトリックアートなのですが、画面上に固定されているはずの図がなぜか「ゆれ動いて」見えますね? どうしてなのでしょう? その答えは、本稿の末尾に記します。 さて、3月8日、米国テキサス州オースティンで「最先端技術やアートの祭典」と銘打つ商用イベント「SXSW」が開幕、初日は「質問を入力すれば自然な文章で回答が得られる生成AI」などのプレゼンテーションが相次いだと、NHKなどのメディアが報じています。 「数十万人が参加」する大祭典との触れ込みですが、欧州や基礎科学の観点から「採点」させてもらうと、多額の資金を投入しつつ内容は徹底してコーヒー同様「アメリカン」。 日本企業も出品しているようです。 私は内容を押さえ切っていないのでこれくらいにしておきますが、およそ地道で確かな明日の人類の叡智の模索というより、一攫千金を狙うヤ
米アップルが10年続けてきた電気自動車(EV)の開発計画を断念したというニュースは投資家にとって朗報だったようだ。 米ブルームバーグ通信などの報道によれば、アップルはEV開発の人員を、スマートフォン「iPhone」などのAI(人工知能)機能の開発に振り向ける。一方、AIサービスの分野では、米マイクロソフトや米グーグルといった競合の動きが速く、アップルがこれらに追いつけるかどうかが注目されている。 アップル、再びiPhoneの機能拡充に注力 英フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、アップルのAI開発はこれまで主に、自動運転EVや複合現実(MR)端末「Vision Pro(ビジョンプロ)」といった新しいハードウエアの市場を開拓するための手段として進められてきた。しかしEVプロジェクトの終了と、MR端末の出足の鈍さに伴い、アップルは再びiPhoneの機能拡充に注力するようになった。 FTによ
各国のIT企業は自国の母国語に強いLLM(大規模言語モデル)の開発を進めている。その中で、登場しつつあるのが方言に対応したLLMだ。 方言AIは貴重な文化や知識を時代に継承する有力な手段になる上に、その言語を話す人々から信頼や親近感を得る手段になり得る。 だが、政治家のスピーチなど、方言AIによる多言語対応を悪用するケースも考えられる。「方言ロボット」とともにリスクを議論しておく必要がある。 (小林 啓倫:経営コンサルタント) 先日、MicrosoftがフランスのAI企業、Mistral AI(ミストラルAI)と提携するというニュースが流れた。MicrosoftはChatGPTの開発企業であるOpenAIとも提携しているため、「どうして?」と思われた方もいるだろう。 しかし、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのOpenAIとて万能ではない。Microsoftとしても、さまざまな可能性を手に入れておく
全国人民代表大会(全人代)後の首相会見廃止というニュースが世界を駆け巡った。1988年以降、歴代首相が国内外のメディアに直接語る慣例が定着していたため、極めて異例と受け止められた。 そもそも事前に質問者や質問事項が決められている「予定調和」の記者会見ではあるが、過去には記憶に残る名言も飛び出すなど、意義はあった。 李強首相の存在の軽さが改めて露呈した格好だが、記者会見を廃止させたと考えられる習近平国家主席にはどんな思惑があるのか。(JBpress) (福島香織:ジャーナリスト) 3月4日から全国政治協商会議(全国政協)、5日から全国人民代表大会(全人代、人大)が開幕した。いわゆる「両会」(国会のようなもの)シーズンに突入した。 今年の両会は例年のように盛り上がっていない。中国国内でも事前報道はそんなに手厚くなかった。だが全人代についていえば、李強首相の初めての政府活動報告ということで、海外
先ごろ開いた株主総会で、アップルのティム・クックCEO(最高経営責任者)がAI(人工知能)機能の導入を予告したのは、必要に迫られてのことだったようだ。 「乞うご期待」、もはや通用しない 米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、クック氏はこれまで株主から幾度も同じ質問を受けてきた。 それは、「アップルは生成AIに関して何をしているのか?」というものだった。それに対する同氏の答えはいつも同じ。「乞うご期待」だった。だが、投資家らはこのせりふに対して、我慢の限界といった心境に達していたという。 EV開発中止報道で株価上昇 先ごろ、アップルが10年にわたり開発を続けてきた電気自動車(EV)を断念し、いわゆる「Apple Car」計画を中止すると報じられた。これに伴い開発チームの多くは同社のAI部門に移るといわれている。この報道は投資家に大いに歓迎されたとWSJは報じている。 同紙によ
「青春18きっぷ」は、JR全線の快速列車や各駅列車の自由席が乗り放題になるお得なきっぷだが、そんな青春18きっぷでの旅を新入社員の研修に取り入れた企業がある。島根県出雲市に本社を置く山陰パナソニックだ。そこにはどのような狙いがあったのか? 2年間にわたる取り組みを紹介する。 >>【写真】「サンパナポーズ」で写真を撮る山陰パナソニックの新入社員ほか 社長の発案がきっかけで始まった18きっぷの新入社員研修 昨今、企業はどこも慢性的な人手不足と言われるが、どの企業も誰でもいいから採用したいとは考えていない。新卒・中途採用ともに厳格な選考が実施されている。 昭和期は終身雇用の意識が強かったが、平成期以降は転職・離職も珍しくなくなった。特に入社から3年以内に離職する新卒者も目立つようになり、せっかく育てた人材が流出する事態に企業は頭を悩ませている。 そこで、新入社員にじっくりと向き合うことで離職率を
(山本一郎:財団法人情報法制研究所 事務局次長・上席研究員) 国会では、旧統一教会の関連団体から選挙支援を受けていたとされる盛山文部科学大臣への不信任決議案ですったもんだする一方、文化庁がついに財産監視の強化対象となる宗教法人の基準策定まで漕ぎ着けました。 関係者の皆さま、大変にお疲れ様でございました。登山で言えば8合目までやってきた感じでしょうか。 なお、本件基準の名前は「特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律に基づく指定宗教法人及び特別指定宗教法人の指定に関する運用の基準」です。クソ長い。 【関連資料】 ◎特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律に基づく指定宗教法人及び特
韓国政府は医者不足の解消のために、医学部の定員を2000人増員すると決めた。これに対して、医師たちはストライキはおろか集団辞職という行動を取った。現役の医大生たち中には、休学届を出して抗議に参加している学生もいると聞く。 ほとんどの報道機関は、医者が職務を放り出して自分の利権を守ろうとしていると伝えている。 4年ほど前にも、医師たちがデモを起こした時があった。医師不足を理由に、当時の文在寅大統領が漢方医にも医師免許を出すという案を出した時のことだ。現役の医師たちは、自分の免許を返納して医者を辞めると大騒ぎだった。 当時から、筆者は「なぜ医師たちがこのような行動を起こさなければならないのか、そんなに韓国の医師は利己的なのか」という疑問を持っていた。筆者がネット上で交流している韓国人の医師たちは、そのような人たちではないからだ。 韓国の医療問題の一つに、小児科医院が少ないという問題がある。 子
前半部分で、宿屋にたむろする遊び人たちが侍たちに食ってかかる憤懣と、百姓をばかにする6人の侍たちにたいする菊千代の啖呵が、ひどくいい。一切の理屈なし。これほど、映画のおもしろさの醍醐味が味わえる映画はめったにない。唯一の欠点は、日本語字幕が必須だということ。 2 『切腹』(1962、133分) 小林正樹監督。橋本忍脚本。原作は滝口康彦『異聞浪人記』(河出文庫)。仲代達矢、三國連太郎、丹波哲郎、石浜朗、岩下志麻。 黒澤明以外の監督が、黒澤・三船・仲代の最強トリオに匹敵しえた唯一の映画である。お白洲に正座した仲代の威厳ある姿がすごい。50歳過ぎに見えるが、当時、仲代達矢はなんと29歳である。三國連太郎の、低音で太く響く「ほほう」という口調を聞け。また石浜朗が竹光で切腹するときの、三國の表情を見よ。 その他、脇を固める役者陣の面貌を見よ。さすがは丹波哲郎で、ふてぶてしい侍役が適役。また青木義朗や
アル・パチーノと彼女がタンゴを踊る場面は、第一の見せ場。第二の見せ場は、アル・パチーノが盲目の身でフェラーリを運転する場面ではなく、親戚の家を訪ねていき、そこで親戚の男からアル・パチーノがくそみそに罵倒される場面。アル・パチーノの、口は悪いがほんとうはいい人間なのだ、という、通り一遍のいんちき人間観が否定される。たしかに親戚にアル・パチーノみたいなおやじがいたら、いやだろうな。 だが最高の見せ場は、ラストシーンにある。チャーリーが通う伝統ある名門高校で、ある生徒たちが起こした不祥事を裁く全学集会が開かれる。責任をチャーリーひとりに押し付けて事の解決を無難に図ろうとする校長と、口を閉ざしてあわよくば無罪放免を期待する実際の犯人である金持ちの家の生徒たちを相手にして、スレード中佐がチャーリー擁護の演説をぶちあげるのだ。映画史上、最高最良の演説であり、これほどカタルシスがある映画もまたとない。映
映画『グリーンマイル』のトム・ハンクスとコーフィ役のマイケル・クラーク・ダンカン(写真:Everett Collection/アフロ) JBpressで掲載した人気記事から、もう一度読みたい記事を選びました。(初出:2022年6月29日)※内容は掲載当時のものです。 (勢古 浩爾:評論家、エッセイスト) ※本稿は『定年後に見たい映画130本』(勢古浩爾著、平凡社新書)より一部抜粋し、加筆したものです。 わたしは子どもの頃から映画を見るのが好きで、読書なんかよりよっぽど好きだった。 わたしたち団塊の世代は、「名画」といわれるものが量産されていた時代でもある。「名監督」もたくさんいた。そしてわたしたちはなぜか、『灰とダイヤモンド』とか『王女メディア』『華氏451』『気狂いピエロ』など、「名画」といわれる映画を、だれに強制されたわけでもないのに、ある種の強迫観念のように、義務として見ていた。 い
教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、男子校で広がり始めた性教育とジェンダー教育の現場に迫る連載「ルポ・男子校の性教育」。第6回は駒場東邦中学校・高等学校を訪ねた。今回は「性教育」の特別授業ではなく、普段の国語の授業。えげつない描写も含まれる小説を題材に、中3男子のジェンダーバイアスに揺さぶりをかける。 駒場東邦中学校・高等学校(以下、駒東)は、2023年には東大に72人の合格者を出すなど、東大合格者ランキングトップ10の常連。過去には昭和女子大の学生たちとジェンダーについて学ぶ機会を設けていたり、外部講師による性教育講義を定期的に行っていたりと、男子校の“アキレス腱”を補う教育に力を入れてきた。その姿勢は普段の授業にも染み込んでいる。中3の現代文の授業を見学した。 (おおたとしまさ:教育ジャーナリスト) 「たとえばアダルトコンテンツを見てる男の子でも、好きな女の子にはそういうことしてほ
6回にわたって連載をしてきた【人事改革の落とし穴】。最終回は「労働移動」、つまり転職を考える。 転職は、より高い賃金やキャリアアップを目指すものだと思われがちだが、実はそうした動機は少なく、職場の人間関係のトラブルが最大の理由だ。 逆に言えば、職場が楽しければ給料やキャリアは転職の動機にはなりにくい。背景には働くことに対する日本人の「意思のなさ」がある。この状況を、どう変えていくべきか。 (小林祐児:パーソル総合研究所 上席主任研究員) 成長戦略や構造改革の議論の中では、労働市場の流動性を高めることが重要だという主張は多い。岸田政権の掲げる「三位一体の労働市場改革」でも、「成長分野への労働移動の円滑化」は柱の一つとして盛り込まれています。 新しい資本主義実現会議においても、岸田首相自ら「内部労働市場と外部労働市場をシームレスにつなげ、労働者が自らの選択によって労働移動できるようにしていくこ
低賃金、やりがい搾取で働く人を追い詰めるブラックな職場。その一方で、ムダで無意味なうえに有害、なのにしっかり給料がもらえる「クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」が存在する。今やホワイトカラーの半分以上が「クソどうでもいい仕事」ではないかという疑惑さえあるが、日本にはどのようなブルシット・ジョブがあるのか。現場からの告発をリポートする。(若月 澪子:フリーライター) ※副業する中高年のおじさんの「君たちはどう生きるか」を描く、若月澪子著『副業おじさん 傷だらけの俺たちに明日はあるか』(朝日新聞出版)ただいま好評発売中! コロナを機に、多くの企業が採用したリモートワーク(テレワーク)。今、リモートワークを継続している企業は、ピーク時の半分以下の15%程度にまで減少していると言われる。 コロナが終了してもリモートワークを続けられているのは、資金面にゆとりがある大企業や、情報通信業・学術研
「つみたて王子」こと、なかのアセットマネジメント社長・中野晴啓氏による連載「中野晴啓の正しい投資」。日経平均株価は2月22日に終値が3万9098円と史上最高値を更新したが、果たしてこの急騰はいつまで続くのか。さわかみ投信の創業者で日本の長期資産運用のパイオニアである、さわかみホールディングス代表取締役の澤上篤人氏との対談を2回に分けてお届けする。後編では、2人がともに独立系の資産運用会社を立ち上げた意義を語り合う。(JBpress) (中野晴啓:なかのアセットマネジメント社長) 前編:日経平均株価が史上最高値、いよいよ「大暴落」始まる?新NISAの投資初心者は大火傷か、過剰流動性はもう限界超えた 当たり前の「受託者責任」すらないがしろ ──前編では、日経平均株価が史上最高値を更新し絶好調に見える株式市場が「まもなく大暴落する」、控えめに言っても大きな調整は免れないと予測する理由についてお話
「つみたて王子」こと、なかのアセットマネジメント社長・中野晴啓氏による連載「中野晴啓の正しい投資」。日経平均株価は2月22日に終値が3万9098円と史上最高値を更新したが、果たしてこの急騰はいつまで続くのか。さわかみ投信の創業者で日本の長期資産運用のパイオニアである、さわかみホールディングス代表取締役の澤上篤人氏との対談を2回に分けてお届けする。前編は、株価の上昇が続く中、澤上氏が「まもなく大暴落する」と主張する背景を語り合う。 (中野晴啓:なかのアセットマネジメント社長) 後編:日本株「大暴落」の先にある本物の資産運用立国、これからはインデックス型「オルカン」「S&P」よりアクティブ型? 新NISAへの浅薄な流入、いずれ社会問題に? ──株価の急騰が続くなか、今年1月から新たなNISAが始まり、多くの投資初心者が資産運用を始めるきっかけとなっています。ともに独立系運用会社を創業したお二人
しかし、陥落されたことはなかった。 今回注目されているアウディウカの戦いは、ウクライナ軍による2023年6月からの反転攻勢が停止し膠着した10月の初めから、ロシア軍が全力に近い戦力を投入して、大攻勢を始めたものである。 ロシア軍は連日、多くの犠牲者を出しても、次から次へと兵士を送り込み、アウディウカ守備部隊への攻撃を停止することなく、4か月以上も続けた。 そして、弾薬不足もあり、ウクライナ軍アウディウカ守備部隊は2月中旬、約130日の戦いの後、ついに撤退した。 アウディウカの戦いについて今回は、両軍のアウディウカでの4か月を超える戦いを見て(米国戦争研究所資料参照)、ロシア軍とウクライナ軍の戦いそのものについて考察する。 具体的には、両軍の戦術的行動、その狙い、戦術行動の変更とその理由、作戦目標の達成度、撤退作戦と航空支援作戦などについてだ。 1.選挙前にやっと占拠できたロシア軍 アウディ
(小林 啓倫:経営コンサルタント) 生成AIが可能にした「インスタント伝記」 2024年2月19日、イーウェン・マッキントッシュ(Ewen MacIntosh)という英国の俳優が亡くなった。筆者と同じ1973年生まれで、50歳という若さだった。まずは彼のご冥福をお祈りしたい。 その上で、これから筆者が実験することは、不謹慎な行為であることを先にお詫びしておきたい。あくまでこうした行為には倫理的な疑問が残る、というのが筆者の立場だ。 彼を引き合いに出したのは、日本の読者にはあまり知名度が高くなく、日本語で書かれた彼の記事も少ないからだ。そのような状況でも、筆者は最新テクノロジーを活用して、彼の詳しい紹介文を書くことができることを証明したい。そのテクノロジーとは、もちろん生成AIである。 たとえば、次の文章はChatGPTに対して「ウェブを検索し、Ewen MacIntoshの生涯を日本語で短
芸能活動を休止しているお笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志氏が、1月22日に文藝春秋などに対し、名誉棄損による損害賠償と謝罪広告の掲載などを求めて東京地裁に提訴した。請求額は5億5000万円である。これに対して、攻撃の手を緩めない「週刊文春」は、2月8日発売号で11人目の新証言を取り上げた。 「闘うメディア」と称される「週刊文春」とはいったいどのような組織なのか──。同誌の元編集長で、現在は文藝春秋総局の総局長を務める新谷学氏の著書『獲る・守る・稼ぐ 週刊文春「危機突破」リーダー論』(光文社)を紐解きつつ、週刊誌に詳しいお笑い芸人の水道橋博士に、週刊文春というメディアの特徴について聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──「ダウンタウン」松本人志さんの、性加害疑惑が連日報道されています。このタイミングで、新谷学さんの著書をあらためて読み、どんなことをお感じになりますか。 水道
(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト) 2月16日の夜遅く、ヤフーニュースの見出しの項目に「ナワリヌイ氏、死亡」の文字を見つけ、驚いた。本欄の21日用に別の原稿を準備していたが、この報道にふれないわけにはいかない。急遽、内容を変え、情報を集め始めた。 わたしが見た第一報の記事はこのように簡単なものだった。 「2月16日、ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が刑務所内で死亡したと、インタファクス通信が同国の刑務所及び拘置施設を管理するロシア連邦刑執行庁(FSIN)の情報として報じた」 「インタファクスが引用したFSINの発表によると、ナワリヌイ氏は『散歩の後で体調不良を訴え、そのほぼ直後に意識を失った』。国営メディア『ロシア・トゥデー』は消息筋の話として、死因は『血栓症』と伝えた」
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