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『東京の生活史』『都会の異界 東京23区の島に暮らす』『東京23区×格差と階級』暮らす人にとっての東京 - HONZ
五輪の話題もようやく落ち着いた。会場となった大都市「東京」の実像について、考えてみるのも良いだろ... 五輪の話題もようやく落ち着いた。会場となった大都市「東京」の実像について、考えてみるのも良いだろう。 150人の聞き手が150人の「東京にいる人、いた人、いたことのある人」に聞いた人生が1216ページの『東京の生活史』になった。聞き手は公募、語り手は誰だかわからない場合も多く、読み手は何の情報もないまま読み始める。年齢も性別も2人の関係性もわからないが、何か「東京」に関係があることは徐々に明かされていく。こんな途方もない試みの本なのに、一切退屈せずに読み終えた。 1人目は終戦で上海から帰国した年配の婦人で、都内などでピアノとともに生活した日々を語る。近所の人なら間違いなく誰だかわかるだろう。 戦後生まれで材木屋から俳優になった人、反差別運動をやっていた両親を持つ1980年代生まれの女性と差別問題、祖母の縁で中国からやってきて中華料理屋を営む男性の幸福感など、どの人の語りもドラマのようだ。
2021/11/15 リンク