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装丁を味わう
inochinooto.hatenadiary.org
しばらくぶりに日本のエスピオナージュを読みました。第53回江戸川乱歩賞を受賞した曽根圭介の「沈底魚」(講談社文庫)です。文章がやや類型的なのと会話があまり上手いとは言えないので、始めのうちは読み続けられるか心配していましたが、やがて物語も快適に展開し始め、プロットに引きずられて一気に読了してしまいました。最後の方は粗筋だけになってしまった感じがしましたが、それなりに面白く読みました。 エスピオナージュ、いわゆるスパイ小説は、お国柄や冷戦時代における国際的地位や地政学上の問題、あるいはまともな諜報機関の不在から、日本ではあまり盛んとは言えません。作家では中薗英輔(「密書」)や結城昌治(「ゴメスの名はゴメス」)などが、最近では麻生幾などが先ず頭に浮かびますが、日本のミステリーの系譜の中では大した位置は占めていません。エスピオナージュの本場は、何と言ってもイギリスです。 エスピオナージュに最も豊
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