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雑学
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東電は8月24日、福島第一原発の汚染水の海洋放出をついに開始した。 毎日約90トンずつ発生する汚染水をどうするのかという問題はこれまで棚上げされてきたが、今回、漁業関係者などの反対を押し切って海洋放出が始まった。 東電は2013年、汚染水が海に流出していることを発表したところ、世論の激しい反発を受けた。その後、汚染水の処理方法について小委員会が議論を進め、海洋放出のほか、水蒸気にして放出する、コンクリートに固めるなどの選択肢が検討されたが最終的に一番安くて簡単にできる海洋投棄に落ち着いた。ただし、ALPS小委員会の2020年の報告書では海洋放出は他の方法よりはるかに安い34億円とされていたが、原発事故以来、東京電力を継続的に取材してきたフリーライターの木野龍逸氏は、記者会見などでその費用が既に500億円を超えていることが明らかになっていると言う。しかも、その中には漁業関係者への補償などは含
専門は海洋科学、海洋生物学。 1984年ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校にて生物学博士(Ph.D.)を取得。 スミソニアン熱帯研究所(パナマ)、グアム大学教授を経て2004年より現職。 政府は24日、福島第一原発の敷地内のタンクに貯蔵されている放射性物質を含む汚染水の海洋放出に踏み切った。 風評被害などを懸念する地元住民、とりわけ漁業関係者らの反対を押し切っての放出となったが、政府はALPS(多核種除去設備)によってほとんどの放射性物質は取り除かれており、残存するトリチウムも海水によって希釈され、国際的な安全基準はクリアされているため、人体や環境への影響は無視できるレベルにとどまるとの立場だ。 しかし、海洋生物学が専門でグアムやハワイをベースに30年以上、太平洋沿岸のエコシステムを研究し、2011年の福島第一原発事故後、来日し事故の海洋への影響を調査した経験も持つハワイ大学のロバー
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新年を迎えるにあたり、誰もが今年こそは明るく前向きな方向を目指していきたいと思うところだろう。これは日本に限ったことではないが、昨年は長引くコロナ禍に加え、ウクライナ戦争、そして安倍元首相の暗殺事件などの暗いニュースが多かった。そのような状況では、目の前の問題に対応するだけで手一杯で、われわれの社会が抱える大きな問題に取り組む余裕などなかなかなかったというのが実情ではないだろうか。 しかし、そう言いながら日本は、四半世紀もの時間を浪費してしまった。まだコロナ禍も予断を許さない状況ではあるが、今年こそは、溜まりに溜まった宿題に一つずつ取り組んでいく一年にしたいではないか。 さて、状況を改善する際に大前提となるのが、何を措いてもまずは現状を正確に把握することだ。社会全体が不都合な真実から目を背けるのが当たり前となり、メディアの機能不全も手伝って、われわれは日本が今どのような状況に陥っているかに
クリスマスのイルミネーションで街は賑わっているが、世界ではクリスマスはおろかその日一日をなんとか生き延びようとしている人々が大勢いる。 その一つが戦時下にあるウクライナだ。 今日のクリスマスイブ、ウクライナはロシアがウクライナに侵攻を開始した2月24日からちょうど10か月目を迎える。発生直後は多くの人が衝撃を受け、メディアでも大きく取り上げられたこの戦争も、300日も経つうちに日本では遠い出来事のように受け取られ始めていないだろうか。 そこで2022年の最後から2番目となるマル激では、東京大学先端科学技術研究センター専任講師でロシアの軍事問題の第一人者である小泉悠氏とともに、あの日なぜウクライナで戦争が始まり、そしてなぜそれが今も続いているのかなどを、あらためて問い直してみたい。 この戦争が厄介なのは、なぜロシアのプーチン大統領がウクライナに軍事侵攻を行う決断を下したのかが、専門家にもはっ
国連は9月9日、日本の障害者施策に対して数々の改善勧告を出した。先月ジュネーブで開かれた国連障害者権利委員会の審査に基づいたもので、日本の障害者政策が初めて世界基準で検証されたことになる。 障害者権利条約は、女性差別撤廃条約や子どもの権利条約と同様の人権にかかわる国際条約の一つで、2006年に国連で採択され日本は2014年に批准している。今回の勧告は、国連が日本国内の実施状況について初めて審査を行い、総括所見という形で発表されたものだ。 今回の勧告は全体で75項目に及び、旧優生保護法の問題や、6年前に入所者19人が殺害され世界的なニュースとなった「やまゆり園」事件にも触れている。事件の背景には優生思想や能力主義的な考え方があることを指摘、そのような考え方を広めた法的責任の追及をするよう勧告している。 ジュネーブの会議を傍聴した日本障害者協議会代表の藤井克徳氏は、国連障害者権利委員会の委員た
1971年兵庫県生まれ。94年京都大学法学部卒業。同年朝日新聞社入社。つくば、浦和支局を経て、99年より政治部。政治部次長(デスク)、特別報道部デスクなどを歴任。2014年吉田調書報道を巡る一連の懲罰人事で特別報道部デスクを解任される。21年退職しフリーに。現在、個人ニュースサイト「Samejima Times」を主宰。13年「手抜き除染」報道で新聞協会賞受賞。著書に『朝日新聞政治部』。 著書 長らく日本のリベラル言論をリードしてきた朝日新聞が、危機的な状況に陥っているという。1990年のピークから20年にわたり誇ってきた800万の発行部数も、ここ10年はつるべ落としのように急落を続け、2022年には約半分の400万部あまりまで激減し、2021年度にはついに400億円を超える大赤字に転落してしまった。ほぼ同時期に他の新聞社も軒並み発行部数を落としているが、その中でも朝日の凋落ぶりは群を抜い
1952年京都府生まれ。77年立命館大学経済学部卒業。同年新日本出版社に入社。あゆみ出版、晩聲社などを経て、86年よりフリージャーナリスト。2007年新党日本副代表就任。10年参院初当選(民主党・比例区)。当選2回。2022年の参院選で立憲民主党より出馬も落選。同年、ジャーナリスト活動を再開。 安倍元首相の銃撃事件をきっかけに統一教会に社会の注目が集まっている。犯人の山上徹也容疑者が、母親の統一教会への入信を機に家庭生活が崩壊し、その恨みの矛先を統一教会と関係が深いと思われる安倍元首相に向けたことが、蛮行の動機になったと供述していることを警察が発表したためだ。 その後、100人単位で自民党の議員と統一教会の間に協力関係があったことが明らかになり、安倍首相の暗殺劇に端を発する統一教会問題は、壮大な政治スキャンダルに発展する様相を見せ始めている。 テレビ各局で生中継された8月10日の外国特派員
霊感商法の被害者救済に取り組んできた全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士らが2022年7月29日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で会見を行った。 この日会見したのは、同連絡会の山口広、紀藤正樹、川井康雄の3弁護士。 川井弁護士は、安倍政権と統一教会の関係について、「第一次安倍政権が終わった時期に、霊感商法の刑事摘発が一気に増え、第二次安倍内閣が発足してからは、まったく摘発がなくなった」ことを指摘した。 紀藤弁護士は統一教会に対して金銭被害などを訴えた裁判が全国で起こり、多くの被害者が勝訴していることを紹介した上で、「統一教会の行為は組織的に行われたものだった」とした。 政治家と統一教会との蜜月関係が相次いで明らかになっていることについて、同連絡会の代表世話人を務める山口弁護士は、「信仰の自由があり、世界を見ても宗教団体の規制は難しい。だからこそ政治家には、倫理的な規範をもって旧統一教会と
安倍元首相の銃撃事件は、犯人の統一教会に対する個人的な恨みがその背景にあったことが明らかになったことで、統一教会の存在がにわかにクローズアップされることとなった。 かつて統一教会(正式には世界基督教統一神霊協会。2015年に名称を世界平和統一家庭連合に変更)が霊感商法と言われる手法で多くの被害者を出し、それが社会問題化していたことは周知の事実だ。今はかつてのような強引な資金集めは行っていないと教会幹部は主張するが、その一方で統一教会がその関連団体などを通じ、政治権力、とりわけ自民党に深く浸透していたことが、今回の事件によって期せずして明らかになった。 韓国発祥の新興宗教である統一教会は、今やアメリカを始め世界各国に支部を持つ大組織になっているが、その活動資金の大半が日本で集められたものであることが、米紙ワシントンポストなどによって報じられている。日本が食い物にされていたのは明らかだ。主に日
1960年岡山県生まれ。84年東京大学文学部卒業。86年同大学院人文科学研究科修士課程修了。92年カイロ大学大学院文学部哲学科博士課程修了。学術博士(哲学)。83年イスラム教入信。在サウジアラビア日本国大使館専門調査員、山口大学助教授、同志社大学神学部教授などを経て2021年より現職。17年より同志社大学客員教授を兼務。著書に『タリバン 復権の真実』、『イスラーム入門』、『帝国の復興と啓蒙の未来』など。 著書 ロシアによるウクライナへの武力侵攻は多くの国々を驚愕させた。それがロシアのプーチン大統領による現在の国際秩序に対するあからさまな挑戦であることが、誰の目にも明らかだったからだ。武力侵攻の結果、ウクライナでは罪のない多くの市民が命を落としたり故郷を追われ塗炭の苦しみを味わっている。その意味で今回の侵攻が到底許されざる行為であることは言うまでもない。 しかし、それが現在の国際秩序を揺るが
1947年東京都生まれ。70年東京大学教養学部卒業。同年外務省入省。ハーバード大学大学院ソ連研究センター、モスクワ大学文学部留学、外務省東欧課長、ボストン総領事、ロシア特命全権公使、駐ウズベキスタン大使兼タジキスタン大使などを経て退官。現在、東京大学客員教授、早稲田大学客員教授、東京財団上席研究員など。著書に『ロシア皆伝』、『ワルの外交』。『米・中・ロシア虚像に怯えるな』、訳書に『ロシア新戦略-ユーラシアの大変動を読み解く』など。 著書 アメリカが「いつ大規模な軍事侵攻が起きてもおかしくない」と警鐘を鳴らし続ける中、ロシア専門家の多くは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻はまずないだろうと、やや高を括っていた。仮に軍事力で相手を圧倒したとしても、軍事侵攻はプーチンにとって決していい結果をもたらさないと考えられたからだ。また、万が一何らかの軍事衝突が起こったとしても、ウクライナ東部2州での限
バイデン政権のレトリックを見る限り、今日、明日にもロシア軍のウクライナ侵攻が開始されようとしているという。東欧やロシア国内のインテリジェンスが必ずしも強いとは言えない日本では、アメリカの立場を受け売りする報道が主流を占めているようだが、実際に現在のウクライナ国境沿いに展開されているロシア軍は、いつでも軍事侵攻を開始できる布陣と臨戦態勢を敷いていることは間違いないようだ。 しかし、ロシアの軍事侵攻の可能性について、専門家の見方は大きく分かれている。軍事専門家の多くは、あそこまで部隊を展開しておいて何もないということはあり得ないところまで、事態はエスカレートしているとの見方で一致している。しかし、その一方で、ロシア政治の専門家の中には依然として、軍事侵攻はあり得ないとの見方も根強い。なぜならば、ウクライナへの軍事侵攻はロシアにとっても、そしてウクライナやアメリカにとっても、決して得にはならない
1955年愛知県生まれ。80年京都大学医学部卒業。国立武蔵療養所神経センター(現・国立精神・神経医療研究センター)研究員、ハーバード大学客員研究員、国立精神・神経医療研究センター免疫研究部部長などを経て18年より現職。専門は神経内科学、神経免疫学。著書に『多発性硬化症診療のすべて』、編著に『実験医学増刊 神経免疫 メカニズムと疾患』など。 著書 新型コロナウイルスのオミクロン変異種の感染拡大によるパンデミック第6波が高止まりの様相を呈している。しかし、政府は、まん延防止等重点措置の対象地域は順次拡大しているものの、今のところそれ以上の踏み込んだ施策を実行する構えは見せていない。また、未曾有の感染拡大が続いているにもかかわらず、一般市民の反応も、どこか危機感に欠ける印象を受ける。 これまでに何度となく感染拡大が繰り返されてきたことから、ややコロナ慣れしている面もあるかもしれないが、何といって
1972年東京都生まれ。97年中央大学総合政策学部卒業。2004年同大学大学院総合政策研究科博士後期課程修了。博士(総合政策)。専門は情報セキュリティ、ネットワーク。1999年富士総合研究所入社。2002年富士総合研究所を退職。関東学院大学経済学部講師、中央大学総合政策学部准教授を経て19年より現職。著書に『メタバースとは何か ネット上の「もう一つの世界」』、『思考からの逃走』、『ハッカーの手口 ソーシャルからサイバー攻撃まで』など。 著書 ここに来て、にわかに「メタバース」に注目が集まっている。 昨年10月、SNSのフェイスブックが、メタバースを事業の柱に据える意味を込めて、社名を「メタ」に変更し、向こう10年間、毎年1兆円超をメタバース事業に投入する方針を発表したのに続き、今年に入ってからはマイクロソフト、ソニーなどのテックジャイアントが相次いで巨額を投じ、著名なゲームメーカーを買収し
辻元清美は今何を考えているのか。 昨年の衆議院選挙で最大野党の立憲民主党は、当初大躍進が期待されながら議席を減らす結果に終わり、党の創設者である枝野幸男代表以下、執行部の引責辞任にまでつながった。新たなリーダーに選出された若い泉健太新代表の下、新体制が発足した後も、支持率の低迷は続いており、各種の世論調査でも立憲の支持率は日本維新の会の後塵を拝し、今や最大野党の地位まで危ばれている。 今の日本の状況下でなぜ維新に支持が集まるのかについては別途詳細な分析が必要だが、それにしても立憲の低迷ぶりは深刻だ。以前にマル激で紹介した早稲田大学の橋本健二教授の調査によると、日本では有権者の半数以上が自身を「リベラル」と位置づけているにもかかわらず、その大半は「支持政党なし」と答えている。旧民主党やそこから派生した立憲民主党を始めとする政治勢力が、有権者の受け皿となれていないことが、日本の政治に閉塞をもた
1977年大阪府生まれ。2001年龍谷大学社会学部卒業。06年同大学院博士課程修了。龍谷大学社会学部実習助手などを経て18年より現職。専門は観光社会学。著者に『パンクする京都オーバーツーリズムと戦う観光都市』、『日本のふしぎな夫婦同姓 社会学者、妻の姓を選ぶ』など。 著書 日本は1996年に法務大臣の諮問機関である法制審議会が、夫婦が別姓を選択できる制度の導入を答申して以来、強制的な夫婦同姓を定めた民法750条は、国連の差別撤廃委員会から繰り返し勧告を受けたり、多くの違憲訴訟が提起されるなどしてきた。しかし、政治の動きはいたって鈍く、最高裁も現行法の下での夫婦同姓の合憲判断を繰り返したため、法制審議会の答申から26年が経った今も、日本では厳然たる夫婦同姓制度が続いている。 一方で世界に目を向けると、夫婦同姓制度を維持している数少ない国の一つだったタイが2005年に、オーストリアとスイスが2
今回とりあげる2つのテーマは、根本的に根っこのところではつながっている問題なのかもしれない。 2つのテーマとは、まず1つ目は、秋篠宮家の長女眞子内親王の結婚を機にあらためて考えてみたい天皇・皇族の人権の問題。そしてもう一つは、来週の総選挙と同時に行われる最高裁判所判事の国民審査を前に、今回審査の対象となる判事たちが主要な裁判、とりわけ基本的人権が問われるような裁判でどのような判断を下してきたかを検証することで、どの判事を承認すべきか、あるいは罷免要求すべきかの判断材料を提供することだ。 天皇、皇族の人権問題については、秋篠宮が2020年11月に記者会見で眞子内親王の婚姻を認めた際に「結婚することを認めるということです。憲法にも『結婚は両性の合意のみに基づいて』とあります。本人たちが本当にそういう気持ちであれば、親としてはそれを尊重するべきものだと考えています」と語ったのを受け、「本人の意思
1961年福岡県生まれ。86年岡山大学文学部卒業。出版社勤務、週刊新潮編集部次長などを経て、2003年より現職。著書に『墜落 「官邸一強支配」はなぜ崩れたのか』、『泥のカネ 裏金王・水谷功と権力者の饗宴』、『悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞』(2018年大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞受賞)など。 著書 9月29日、自民党が新たな総裁を選出し、10月4日には国会での首班指名を経て、新しい内閣が発足する。 今回の自民党総裁選は安倍、菅と2つの政権が不祥事やコロナ対策の失敗で国民の支持を失い、相次いで退陣に追い込まれたことを受けたものだ。当然、次の政権にとっては、何が安倍、菅政権が国民の支持を失うことになった原因だったと考えているかを明確にした上で、それをどう改めようと考えているかが最優先の課題とならなければおかしい。 ところが、メディアが連日連夜、時間を割いて総裁選の
1965年富山県生まれ。90年金沢大学法学部卒業。同年毎日新聞入社。経済部次長、週刊エコノミスト編集次長、特別報道グループ編集委員、地方部エリア編集委員を経て2020年退職。同年より現職。著書に『オリンピック・マネー 誰も知らない東京五輪の裏側』。 著書 日本の権力の中枢には、何があってもオリンピックだけはどうしてもやりたい人がいるようだ。 東京五輪の開催を2ヶ月半後に控えた5月7日、菅首相は緊急事態宣言の5月末までの延長を発表し、これまでの東京、大阪などに愛知、福岡を加えた6都府県がその対象となった。 元々今回の緊急事態宣言は5月11日までの17日間と、過去2回と比べて極めて短期間で設定されていた。緊急事態宣言については、政府の基本的対処方針分科会で有識者たちが最低でも3週間は必要との意見が出されていたが、それをあえて11日までとした背景には、17日にIOCのバッハ会長の来日が予定されて
1940年秋田県生まれ。63年東京教育大学(現筑波大学)理学部卒業。68年名古屋大学理学部分子生物学研究施設大学院博士課程修了(分子生物学)。69年同研究施設助手、名古屋大学理学部大学院生命理学科助手を経て、2004年定年退職。1990年よりNPO法人チェルノブイリ救援・中部理事。遺伝子組換え情報室代表を兼務。著書に『チェルノブイリと福島』、共著に『チェルノブイリの菜の花畑からー放射能汚染下の地域復興』。 政府が福島第一原発に蓄積され続けている汚染水の海洋放出を認める決定をしたことを受けて、分子生物学者で放射性物質の人体への影響などに詳しい分子生物学者の河田昌東氏に、トリチウムの人体への影響について聞いた。 政府は今回海洋に放出されるトリチウム汚染水はICRP(国際放射線防護委員会)の勧告に則った日本の放射性物質の海洋放出の安全基準を大きく下回る水準まで希釈されることが前提となるため、人体
1948年滋賀県生まれ。73年京都大学医学部卒業。熊本大学医学部教授、京都大学大学院医学研究科教授、理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター副センター長などを経て、13年より現職。医学博士。専門は幹細胞研究。共著に『岩波講座 現代医学の基礎〈8〉免疫と血液の科学』、『免疫―免疫システムと免疫病』など。 著書 世界的に新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっている。このワクチンが新型コロナウイルスに対して変異種も含めて一定の予防効果があり、大きな副反応を引き起こさないことが確認され、保存や輸送などのロジスティックの問題さえ解決できれば、人類は恐らく21世紀最大のピンチといっても過言ではない新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を克服し、コロナ以前の日常を取り戻せるかもしれないとあって、ワクチンに対する期待はことのほか大きい。 しかし、その一方で、通常のワクチンであれば安全が確認され承
1967年愛知県生まれ。90年東京大学法学部卒業。東京大学助手、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員研究員、東北大学大学院法学研究科教授等を経て、2013年より現職。博士(学術)。専門は行政学、日本政治史。著書に『崩れる政治を立て直す』、『安倍一強の謎』、 『内閣政治と大蔵省支配』など。 著書 かつて日本は、政治は二流でも中央官僚が飛び抜けて優秀だから持っていると言われた時代が長らくあった。実際、霞ヶ関の高級官僚の枢要なポストは大半を東大法学部卒のスーパーエリート官僚が占めてきたし、それは今も大きくは変わっていない。 しかし、昨今の国会などを見るにつけ、その超エリート官僚たちが、耳を塞ぎたくなるような恥ずべき答弁を真顔で繰り返している。その厚顔無恥ぶりからは、焼け野原から世界有数の経済大国に至る戦後の日本を率いてきたエリート官僚の矜持や面影といったものは微塵も感じられない。 それが強
茶色い毛糸のミトン手袋が全てを物語っていた。 1月20日、トランプ大統領がメラニア夫人と共に大統領専用ヘリコプター「マリーン・ワン」に乗り込みホワイトハウスを去った。ヘリが飛び立った瞬間、世界のメディアが集結するホワイトハウスのメディアルームでは歓声があがったという。 確かに大変な4年間だった。マル激では「トランプが去ってもトランプ現象は終わらない」ことは繰り返し解説してきたが、それでも自身の価値観が「真空」であるがゆえに、政治的に有利になるネタは理念を超越してどんな荒唐無稽なものでも取り込んでしまう、まるで電気掃除機のような人物が世界一の大国アメリカの最高権力者の座に4年間も君臨すれば、アメリカならずともその影響は計り知れない。その影響を一番身近で痛感してきたホワイトハウス詰めの記者たちの安堵感は想像に難くない。 しかし、ドナルド・トランプといういわばシンボルが大統領の座から去っても、ア
1974年東京都生まれ。2000年東京大学医学部卒業。医学部在学中の1998年司法試験合格。04年東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。東大病院、日本赤十字社医療センター循環器科勤務医、東北大学大学院法学研究科准教授、東京大学大学院法学政治学研究科准教授などを経て、17年より現職。現在、東京都健康長寿医療センター勤務医(循環器内科)も兼務。専門は民法・医事法。著書に『医事法講義』、共著に『生命科学と法の近未来』など。 著書 欧米諸国で新型コロナウイルス感染症が猛威を奮うのをよそ目に、日本では中国や韓国などとともに過去半年の間、世界中が羨み不思議がるほどコロナ感染症の流行が抑えられていた。特に日本がこれといった対策を打っているわけではないにもかかわらず、感染者数はアメリカの100分の1、人口あたりで見てもアメリカやフランスの30分の1から50分の1程度しかコロナの感染は広がらなかった。
1980年神奈川県生まれ。2003年東京大学法学部卒。東京大学大学院法学政治学研究科助手、首都大学東京(現東京都立大学)准教授などを経て、16年首都大学東京教授。著書に『憲法の急所──権利論を組み立てる』、『テレビが伝えない憲 法の話』、『自衛隊と憲法』、共著に『憲法問答』、『憲法という希望』など。 著書 政治絡みのニュースでは、巷では桜を見る会での安倍事務所の関与が明らかになったことが大きく注目されているようだが、実はその背後についこの間まで菅政権にとって喉元に突き刺さった棘のような存在になっていた学術会議の任命拒否問題での進展がある。 桜を見る会の問題が表面化する直前の11月5日、参議院予算委員会で今回の学術会議の任命拒否問題をめぐる政府側の主張を根本から打ち崩す証拠が、立憲民主党の小西洋之参院議員から提示された。 それは、政府がこれまで学術会議法7条二項が定める学術会議の会員は、会議
安倍政権下の社会保障政策を一言で言い表すとすれば、このタイトルに尽きるだろう。問題は国民の間でそれが必ずしも広く認識されていないことなのではないか。 以前、この番組で、「アベコベノミクス」という名言で安倍政権の経済政策を評した東大名誉教授の大沢真理氏は、安倍政権は給付抑制と負担増が徹底して行われた7年8カ月だったと指摘する。また、その中でも特に低所得層に対する負担増が顕著だった。実質賃金が低下するなかで、労働時間あたりの報酬額は先進国のなかで日本だけ伸びていない。社会保障関連の政策では、制度の持続可能性という言葉で給付抑制が図られてきた。 税制についても、より格差を広げる形で制度改正が行われてきた。低所得層ほど負担増となる逆進性が強い消費税を5%から8%、そして10%へと増税する間に、個人所得税はむしろ累進性を緩和し、富裕層の税負担を軽くする税制改正が、継続的に行われてきた。その間、企業法
7年8ヶ月の長きに渡り政権を担った安倍内閣の政策と、その下で日本がどう変わったのかを検証する安倍政権の検証シリーズ第二弾。今回は第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏と、慶應義塾大学ビジネススクール准教授の小幡績氏の気鋭のゲストを迎え、前半、後半の二部構成でアベノミクスに代表される安倍政権の経済政策に注目した。 次期首相就任が有力視される菅義偉官房長官は、特に経済政策面ではアベノミクスを継承する意思を明確に示している。しかし、そこでいうアベノミクスとは何を指しているのか、その中身については必ずしも明確ではない。 当初、アベノミクスとは①大胆な金融緩和と②思い切った財政出動と③産業構造改革の「3本の矢」を柱とする経済政策だと説明されてきた。特に重要な鍵が3番目の産業構造改革にあり、それを可能にするためにある程度の後遺症は覚悟の上で①と②を大胆に実行していくという話だった。 ところが、
1953年北海道生まれ。75年東京大学法学部卒業。同年厚生省入省。年金局長、社会保険庁長官などを経て2010年から13年駐スウェーデン日本国特命全権大使。17年より日本赤十字社常任理事。著書に『スーパーモデル・スウェーデン 変容を続ける福祉国家』、共著に『スウェーデンのアール・ブリュット発掘:日常と独学の創造価値』など。 著書 スウェーデンのコロナ対策に色々な意味で注目が集まっている。 新型コロナウイルスが猛威を奮う中、欧米諸国が軒並み外出禁止や都市封鎖など強制力を伴う強い行動制限を導入する中、スウェーデンはロックダウンを行わず、コロナへの対応を国民の自主的な判断に委ねることを選択をした。当初、その「英断」が話題になり、ロックダウンされたパリやロンドンがゴーストタウン化する中、ストックホルムのカフェで普段通りに家族との外食や友人との会話を楽しむ市民の姿とともにスウェーデンの独特なコロナ対策
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