虚新のみた放射能―藤原新也さん「書行無常展」とトークショー｜虚往実帰

小欄に「虚往実帰」と命名し、毎日このような文章を書き続けている。ある意味で、自分の心が「虚」に「往」き、より冷静に客観的に物事を見て学び、その結果何らかの「実」に「帰」ることができたらという思いを示したものである。だがしかし、現実の自分自身が、まったく「虚」の境地には達していないことを悟る機会に邂逅した。 藤原新也さん（号＝「虚新」）の「書行無常展」に出向いた。藤原さんの言葉を借りれば、「“書行”とは書を“行為する”という意味だ。世の中のあらゆる場所を旅し、その場所で思いついた言葉を居合抜きのごとく“書する”ということである。」と解説される。会場の入り口に掲げられた、“書行”への思い。そこには、全てが現場での一発勝負であるとされ、その殆どが「失敗」だと記されている。だが「失敗」にこそ、人の心を動かす力があるとする。なぜなら、人生は失敗ばかりであるからだというのだ。形の整った優等生よりも、失

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「「世の理不尽はいつの時代も何処にでもある。個別の悪人と対決していると人生は終わる。だからこそ、その悪人の足元を地面から揺さぶるような地殻変動を起こすことを意図した仕事を進めるべきだと考えている」