関東大震災９０年 未曽有に学ぶ◆元禄の教訓（５）、三浦でも海底隆起／神奈川：ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社

地殻変動 「巨大」の周期解く鍵に ＜昔元禄十六癸未十一月廿三（みずのとひつじにじゅうさん）日因津浪於當所死亡男女老若八十六人也＞ 房総半島の南端に近い千葉県館山市相浜。海から４００メートルほど内陸に立地する蓮壽院の石塔は、元禄１６（１７０３）年の元禄関東地震の津波により、相浜で８６人が犠牲になったことを刻む。 住職町田達彦（６２）は碑文を読みながら思いをはせる。「皆、流されてしまったようだ。まさに壊滅的な被害だったのだろう」 地震の影響はそれだけではなかった。言い伝えがある、と町田は言う。「海岸線が遠くなった、という話だ」 外房を中心に深刻な津波被害をもたらした巨大地震は、大地を激しく揺さぶるだけでなく、大きく変動もさせていた。著しく隆起した館山では、海面下の浅い場所に存在していた地形が姿を現し、陸地が広がった。だから海岸線が遠くなったのだ。 垂直方向の隆起量は相浜付近が最大で