新床を立ちあげてから半年――。ぬか床が一人前になるまでの期間である。 一人前、というのは、ティースプーンでぬか床をすくいあげたら、そこに100億ほどの乳酸菌が蠢(うごめ)いている状態のこと。 食べ物といっても、ここまでくると、もはや “飼育” だ。手入れ方法というより、 “飼い方” といったほうがなんだか腹に落ちる感じがする。 というわけで、ぬか床の飼い方をご説明。 1.ぬか床に快適な室温を保つ ぬか床が快適に過ごせる気温は、われわれ人間と同じ。20~25度くらい。このくらいの室温の、直射日光のあたらない部屋に置いてやるといい。 夏場は、クーラーの効いた部屋をぬか床が転々とする羽目になる。昼間は居室でテレビを見ていて、夜になると家族といっしょにベッドルームへ移動、なんてことになる。 室温30度を超えたら、熱中症の心配だって出てくる。40度を超すと死んでしまうヤツもいる。 人間のように夏バテ