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海と女体 恩地孝四郎 (詩ランダム) - bellaestate’s diary
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海と女體 恩地孝四郎 光は 激しく海をおしつけ 海は いよいよ靑く ひとびとはあけひろげられた遊びに ... 海と女體 恩地孝四郎 光は 激しく海をおしつけ 海は いよいよ靑く ひとびとはあけひろげられた遊びに 原始の魂を蘇生する 波をくぐり 波をくぐり さらに熱砂に身を放つ 一群の生物 ⚫ 新らしい膚は烈しい太陽にをののく 皮を射る赤外線 足にまつはるは さざなみ ニードル レース 爪は貝殻 軀幹は珊瑚 唇は朱きポリプ體 さては岩間のいそぎんちやく 波はひるがへる ひるがへる靑い翼 女體は魚となり 水を切る 雲は空にあり 魚は水をくぐる 海いよいよ靑く ⚫ 烈しい沈默 そこにうごく世界外の實在 擴げられた キノ 夏の日の尨大な白日夢 あかるく あかるく 空へつらぬく虛無 女身はつひに溶けて一片のくらげである 『海の童話:詩を伴ふ版画連作』(版画荘 1934)より 恩地孝四郎 形なきもの 詩ランダム