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第16話|真夏のキッチン——あいつらが夏に一人勝ちする理由 - 半蔵とさくらの草読み道場
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第16話|真夏のキッチン——あいつらが夏に一人勝ちする理由 - 半蔵とさくらの草読み道場
バスが来ない。 さくらはバス停のベンチに座って、ホームセンターの袋を膝の上に抱えていた。キッチン用... バスが来ない。 さくらはバス停のベンチに座って、ホームセンターの袋を膝の上に抱えていた。キッチン用品を買いに、少し遠くのホームセンターまで足を延ばした帰りだった。この路線のバスは一時間に一本。次のバスまであと二十分ほどある。 八月の午前十一時。すでに空気が重い。日差しがアスファルトを焼いて、バス停の小さな屋根の影だけが唯一の逃げ場だった。 暇を持て余して、足元に目をやった。 バス停の脇、人に踏み固められて硬くなった地面から、太くがっしりした草が何本か伸びている。放射状に広がった穂が、力強く突き出ていた。 「……オヒシバだ」 硬い土に生える、あの硬い草。前に半蔵と散歩したとき、駐車場で見たのと同じだ。バス停の足元なんて、毎日何人もの足に踏まれる場所だろうに、びくともしていない。 視線を上げると、道路の向かい側にフェンスで囲われた空き地があった。その足元にブラシ状の穂が揺れている。ふさふさした

