3月初めの早朝のことだ。家の近くを散歩していると、向こうに1本だけ妙に行儀の悪いやつがいるな、と思った。 近づいてみると枝に小さな蕾が見える。ああ、桜か。 2本のヤンキーに絡まれる若木 桜=ソメイヨシノ。可憐な薄ピンクの花を咲かせる、押すに押されぬ春の大スターである。2週間足らずで散るという毎年恒例の儚さで、出会いと別れの季節に彩りを添えてくれるソメイヨシノ。日本一ベタな存在と言っても過言ではない。 だが、こうして花の咲かない時期にまじまじと見ると、可憐さとはかけ離れた柄の悪さを感じる。 見てるだけで身体が凝りそうだ。何故こんなによじれているんだろう。人間に切られてしまった枝は別としても、まっすぐ育った方が楽ではないのだろうか。 当たり前だが木に反抗期はないので、何か理由があるはずだ。その"のたうち回り具合"に興味が湧いてきた。 調布市野川の桜並木へ そういえば、と思って家の近くの川沿いの