ハルサイ(ストラヴィンスキー「春の祭典」)やオケコン(バルトーク「管弦楽のための協奏曲」)なら聴けるけど、シェーンベルクを始めとする新ウィーン楽派は難しそうで取っつきにくい…と考えているクラシック・ファンも多いのではないでしょうか。 どんな作曲家や作品でもそうですが、余計な専門用語や解説にはこだわらず、感覚的なイメージから入ってみると、新ウィーン楽派にもスリリングで刺激的かつ魅力あふれる作品がいくつもあることが分かります。 シェーンベルク――革命的な理論家だがその足取りは… どうやってきれいな和音を響かせるかに苦心してきた古典派・ロマン派もワーグナーの頃になると次第にネタ切れになってきて、「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲みたいに、音を濁らせてそのまま解決させずに音楽を終わらせてしまうという禁じ手に手を染めます。 リヒャルト・シュトラウスは、これでもかこれでもかと和音を工夫した美しい音楽を量