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TGS2024
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前回までで、ヒトの色覚には、多数派の3色覚と、少数派の2色覚があることが分かりました(さらに「中間型」があることは、先の回でお話しします)。今回は、そのような色覚の「多型」が、進化の歴史の中でどのように生まれてきたのかを見ます。 生き物の色覚の進化を振り返る〜魚類、爬虫類、鳥類は4色型 ヒトは、集団の中に3色覚と2色覚をあわせ持った、珍しい種です。 今の知見では、こういった多様性を持っていることがヒトにとって普通であり、むしろ「正常」な状態なのかもしれない、と言えます。また、このような集団であることが、進化の中で重要な意義を持ってきたのであろうとも示唆されています。 こういった理解は、今後の「色覚観」を創っていくために重要なことなので、少しだけ遠回りして「色覚と進化」について考えてみましょう。 わたしたち脊椎動物の色覚の基本形は、実を言うと錐体(すいたい)細胞の種類が、2種類でも3種類でも
第16回 第1章 CUDOの2人に聞く──2色覚はどんな色の世界?④ ~色覚マイノリティの文化が必要!~
第12回 準備の章【後編】 とても悩ましい色覚検査の問題④ ~受診する際の諸注意と、新しい色覚観へのアップデート~ 更新日:2023/01/18 検査は信頼できるクリニックで さて、いよいよ眼科を受診するとします。 その際には、少し注意が必要です。学校健診でも、地元の眼科でも、検査を行って指導する側が、十分な知識を持っていない場合や、20世紀によく見られたような差別的、高圧的な態度を取ってしまう場合がいまだにあるようなのです。 ぼくがソーシャルメディアで観測し、時折、体験談を聞いているところによると、学校健診で、または眼科での検査の後で、今でも、「医師にはなれない」、「消防士にはなれない」、「文系に進んだほうが無難」などと指導されることがあるようです。これらはいずれも、間違いだったり、ミスリーディングなものです。信じてしまったら、不利益に直結します。 また、「色覚多様性という耳触りのよい言
この連載では、わたしたちヒトが持っている色覚の多様性について考えます。 色の見え方は、人それぞれです。それらは長い進化の歴史の中で培われたもので、優劣ではありません。それぞれの色覚タイプに長所と短所があり、相補うものだと分かってきています。つまり「みんな違って、みんないい」のです。 でも、お互いに違う見え方があるなら、それがどんなものか知りたいと思いませんか? まずはその素朴な疑問を追求しようと思います。 「正常」「異常」で語られてきた問題点をふまえる ただ、単に素朴な疑問だけでは済ませられない部分もあります。 20世紀を通じて、また、21世紀になってもつい最近まで、ヒトの色覚の多様性を「正常な色覚」「異常な色覚」というふうに分けて考える時代が長く続いてきました。「色覚多様性」は生物学の概念ですが、医療の分野(眼科)で診断をつける場合には、今も「正常」に対して「先天色覚異常」という言葉が使
ジーンズがはけなくなった日 二年ほど前のある日のことだ。ジーンズをはこうと思った。いつものように。そしたら、はけないのである。ん? もしかしたら、これ、洗濯して縮んだのだろうか。そう思った。自分にとって都合のいい方向で考えたのである。でも、このジーンズ、少なくとも五十回は洗濯している。今回に限って、縮むとは考えられない。いや、正確にいうなら、はくことはできた。チャックが閉まらないだけなのだ……って、それ、かなりヤバいんじゃないでしょうか。 わたしは確認のために、そのジーンズを脱いで、長男にはいてもらうことにした。ちなみに、その頃、我が家では、中一の長男、小六の次男とわたしの三人は、同じ服を着ていたのである(「デカい!」んですよ、我が息子たちは)。ジーンズを試着すると、長男はあっさりこういった。 「ふつうにはけるけど、パパ。どうしたの?」 わかった。わたし以外の全世界が縮んでしまった……わけ
判型 : 四六判 頁数 : 328ページ ISBN : 978-4-08-781550-4 価格 : 本体1,500円+税 発売日 : 2014年03月26日 2004年6月、長崎県佐世保の小さな小学校で、小6の女児が友人をカッターナイフで刺殺した。白昼の教室で……。 被害者の父親は毎日新聞佐世保支局長。僕の直属の上司だった。惨劇を前に遺族の隣人として、新米記者として、わけもわからないまま取材に走る。胸の奥で渦巻く思い。やがて、事件は風化していくが、遺族の苦しみが消えるはずもない。終わりなき事件を追いかけ続けて見えてきたものとはーー。 償いとは?許しとは? ―『謝るなら、いつでもおいで』に込めたもの、テーマなどを教えていただけますか 本書では、遺族と加害者とマスコミという、いわば水と油といってもいい関係にある三者のそれぞれの思いがリアルタイムで交錯します。加害者、遺族、マスコミの生の声が同
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