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佐藤健太郎「歴史を変えた医薬品」第9回 サルファ剤と二つの世界大戦(佐藤 健太郎)
未曾有の大戦 今からちょうど100年前の1914年6月28日、サラエボの街角を走る一台の車が、曲がるべき角を... 未曾有の大戦 今からちょうど100年前の1914年6月28日、サラエボの街角を走る一台の車が、曲がるべき角をひとつ間違えたことが、全ての発端であった。その場に居合わせた19歳のセルビア人学生ガブリロ・プリンツィプは、偶然に現れた車上の二人が誰であるかを悟ると、駆け寄って素早く彼らに1発ずつの銃弾を浴びせた。それぞれ首と腹を撃ち抜かれた二人は、数十分後に息を引き取る。犠牲となったのは、オーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者フランツ・フェルディナント大公と、その妻ゾフィーであった。 ここから事態は、予想もつかない速度で拡大する。皇位継承者を失ったオーストリアは、報復としてセルビアに宣戦布告。セルビアの後ろ盾であったロシア帝国が支援を約束すると、ドイツ、フランス、イギリスが玉突き式に参戦を発表する。やがてこの流れにトルコ、日本、アメリカも巻き込まれ、世界を覆うほどの大戦争へと発展していった。サ
2014/01/21 リンク