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『連続講義・デフレと経済政策』by 出口 治明 - HONZ
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『連続講義・デフレと経済政策』by 出口 治明 - HONZ
久しぶりに、寝食を忘れて、一晩で読んでしまった。今、まさに知りたかったことに、真正面から答えてく... 久しぶりに、寝食を忘れて、一晩で読んでしまった。今、まさに知りたかったことに、真正面から答えてくれる本に出会ったからである。 巻頭に福沢諭吉の言葉が引かれている。 「語に云く、学者は国の奴雁なりと。奴雁とは群雁野に在て餌を啄むとき、 其内に必ず一羽は首を揚げて四方の様子を窺ひ、不意の難に番をする者あり、之を奴雁と云ふ。学者も亦斯の如し。(以下略)」 著者の問題意識が、この一文に見事に凝縮されている。そう、本書は一世を風靡しているかに見えるアベノミクスの上質で真っ当な経済分析なのだ。 本書は一問一答の形式で書かれており、文章も平易で論理的である。一見したところ、とっつきやすい印象を受けるが、その内容は骨太かつ高度であり、経済学の最新の地平がほぼ余すところなく網羅されている。金融機関に勤めるエコノミストでも、ここまで明晰に頭の中がきちんと整理されている人は、ほとんど見当たらないのではないか。そ