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皆ひとしく、その時に向かっている 『エンド・オブ・ライフ』 - HONZ
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皆ひとしく、その時に向かっている 『エンド・オブ・ライフ』 - HONZ
何もない土曜日。我が家で最初に「行ってきます」を言ったのは、84歳の母だった。朝8時、迎えに来たデイ... 何もない土曜日。我が家で最初に「行ってきます」を言ったのは、84歳の母だった。朝8時、迎えに来たデイサービスの車に車椅子のまま乗り込んでいった。そしてさっき、「お年玉でオモチャを買いたい」という息子と「友達の誕生日プレゼントを買いたい」という娘を連れて、妻が出ていった。そして、私は一人リビングに残された。 早速、昨日泣きながら読んだ本書『エンド・オブ・ライフ』の素晴らしさを多くの人に伝えようと、パソコンを立ち上げた。当然だが、原稿というのはいずれ書き終える時がくる。そういうものだ。今回は、その最後の一文をどんな気持ちで書き終えるだろう。笑顔と拍手で終えられるだろうか。それは、今をどう生きるか(どう書くか)、にかかっている。 そう考えると、今この瞬間の中にも、生と死があることに気づく。この本は終末医療を扱ったノンフィクションだが、私が本書を全ての人にお薦めしたい理由はそこにある。ここに書かれ