部屋の中で静かに時計の針が進む音が響いていた。 夏の夕暮れが差し込む窓辺には、淡い橙色の光が部屋全体を包んでいる。 彼――裕也(ひろや)は、机の上に置かれたワンピースをじっと見つめていた。 心臓が少し早く脈打つのを感じながら、手を伸ばしかけるが、一瞬ためらいを覚える。 「本当に着るのか、これ…」 頭の中で何度も繰り返される疑問。 それでも、彼の心の奥底では既に決断は固まっていた。 買ってしまった以上、そしてここまで準備をしてしまった以上、後戻りはできない。 数日前、ウィンドウショッピングをしている最中に目が合ったこの紺色のミニスカートワンピース。 ずっと抑え込んでいた衝動が、その瞬間に爆発したのだ。 「これを着れば、少しだけでも彼女たちの気持ちがわかるかもしれない…」 裕也はそう自分に言い聞かせながら、ゆっくりと服を手に取り、体に押し当てた。 ミニスカートの部分は想像以上に短く、彼の膝上十