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2012-01-09
小田嶽夫『文学青春群像』に、慶應の図書館員加藤元彦が出てくる。 翌昭和三年の五月に私は日本へ帰った... 小田嶽夫『文学青春群像』に、慶應の図書館員加藤元彦が出てくる。 翌昭和三年の五月に私は日本へ帰った。「葡萄園」の編集者加藤元彦が本郷五丁目の千代田館という下宿屋にいたので、まっ先に彼を訪ね、幸いそこに空室があったので、私はそこに落ちつくことにした。(略) ところで、加藤は編集の世話は焼いたが、自分では全然書こうとする気配がなかった。彼は慶大の図書館に勤めていたのだが、夜はいつもドイツ語を熱心に勉強してい、私が時たま訪ねても、文学談に熱を入れるようなことは全くなかった。新同人の連中の話では、彼は慶応のドイツ語の教師になるらしいとのことであった。 この加藤は、確かに慶應義塾大学図書館の職 員で、『慶應義塾図書館史』によると、同大学独文科卒、大正14年4月から昭和10年4月まで勤務し、その後慶應の予科教員になっている。『第十四版大衆人事録 東京篇』(昭和17年10月)を見ると、 加藤元彦 慶大予
2012/01/16 リンク