『夫ブハーリンの想い出』のブログ記事のところで述べたことを、もう少し詳しく書いておきたい。 無実の罪によって銃殺されるブハーリンは、さぞや自分の裁判で、自分は冤罪であることを力説しているであろう、と思って、その裁判記録である『ブハーリン裁判』を読むのだが、いきなりブハーリン自身が自分の有罪を認めてしまうので、読んでいるぼくとしては本当にたまげてしまう。 ブハーリン裁判 (復刊ライブラリー) 作者:ソ連邦司法人民委員部,トロツキー 風塵社 Amazon ブハーリン裁判 (1972年) Amazon これはブハーリンの妻であったラーリナがブハーリンの裁判記録を読んだときに感じた衝撃とたぶん似ているのであろう。 『ブハーリン裁判』では、ブハーリンに対してスターリニスト中のスターリニストである検事ヴィシンスキーが訊問を行なっている。例えばそのやりとりの冒頭の一部分は、次の通りなのだ。 ヴィシンスキ