論点：戦争と平和 アジアが見る「新しい戦前」 | 毎日新聞

安倍政権下での集団的自衛権行使容認に続き、岸田政権による一昨年の安全保障関連3文書改定で、自衛隊は敵基地攻撃能力保有も可能となった。日本の戦後平和主義は大きな転換点を迎え、「新しい戦前」という言葉も広がる。侵略を受けたアジアの人々は、旧日本軍による侵攻の被害や現状をどう見るのか。 「再び」感じ始めた不安 符祝慧 聯合早報（シンガポール）東京特派員 日本では、アジアを侵略した第二次大戦を直接知る世代が少なくなり、本当にあの戦争を反省しているのかどうもはっきりしないまま「戦争の準備」が進んでいる。集団的自衛権を認め、敵基地攻撃を認める安保3文書の改定などが行われた。平和憲法がある限り、日本が再び戦争に行くことはないと考えてきたが、「大丈夫だろうか」と不安を覚え始めているのが、今のアジアの人々の気持ちだ。