岡田英弘『日本史の誕生』 - morimori_68の日記

岡田英弘『日本史の誕生』（弓立社、1994年）を読んだ。 古代史はよい。日本というアイデンティティーができたのは白村江の戦い以降のことだとか、邪馬台国の位置の推定だとか。とても面白く読めた。 しかし近現代史には問題がある。それも小学生にもわかるたぐいの。221ページより引用。 ようやく日清戦争の直後から、清は日本型近代化の直輸入に着手したが、その結果は、一九一一年の辛亥革命による清帝国の崩壊であった。〔…中華民国は〕共和国とは名ばかりの軍閥の割拠と内戦の連続で、日本と中国の関係が深くなればなるほど、中国の状況が日本の安全をおびやかす度合いが大きくなる。そこへロシア革命が起こって、共産主義の脅威が加わり、とどのつまり、日本は中国のおかげで国策を誤って、満州事変、支那事変、大東亜戦争と、どんどん深みにはまって、国を亡ぼしたのである。（*太字、〔 〕内は引用者） 満州事変を起こしたのは誰か。石原

[morimori_68]

人のふり見て…という話。なお「支那事変」は当時の呼称として使った。

[haruhiwai18]

"古代史における優れた着想と、同時代史におけるいかにも偏頗な言いぐさとが同居…近世以来のある種の日本知識人の伝統を思わせ"　→分野は違うが 坂野(潤治)先生みたいに 自分の専門を弁えてればよかったのにw

[Wallerstein]

優れた専門家も、専門を離れれば「只の人」。そこの自覚が欠けると取扱要注意となる。あとルサンチマン形の研究者（今谷氏や岡田氏）はその傾向が強いと思う。

[zakinco]

『日本は中国のおかげで国策を誤って』＝『車で人をひいておいて、そこを歩いていた方がけしからんというようなもの』

[soylent_green]

満洲の歴史を知ろうと宮脇淳子さん（岡田夫人）の本を買ったら版元がWAC出版で、始まりから自虐史観がどうのと言い出してて困った。

[kousyou]

この本買うだけ買って気が進まず積んだままであった。

[namawakari]

文庫版もってるけどまだ読んでなかった。さもありなん。