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会話術
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プラントの立ち上げや試製造は技術者が集まって本気を出します。 この段階では結果が全て現れます。 試製造の前までは検討時間がいっぱいあり、多少失敗しても後でフォローができるでしょう。 試製造だけはその失敗も含めてすべて対応しないといけません。 ところが課題だらけの試製造をすると、結果が必ずしも満足がいかないかも知れません。 例え計画値を満足していたとしても、不満が残ってしまうと、以降でどういうことになるか紹介します。 生産性が上がらない 試製造で頑張らないと、生産性が上がりません。 例えば収率80%まで試製造の序盤のバッチで達成したとしましょう。 目標値が75%くらいだったら、これでも十分に合格だと言われます。 いったん満足してしまうと、さらに上を目指すタイミングは、意外とありません。 試製造であれば、多くのプロフェッショナルが一堂に会し、即決即断ができます。 このタイミングを逃すと、関係部
配管を長期間使うためには、腐食の問題に正面から向き合わないといけません。 化学会社のエンジニアリングで、この設計思想がしっかりしている会社はほとんどないのでは・・・?と思っています。 というのも、配管の腐食の問題が大きな問題になるのは、プラント建設をしてからずっと先の話。 それもプラントのスクラップビルトが進んでいない工場で、プラント数が多いという条件まで付きます。 配管の腐食問題が同時期に頻発して初めて、問題だと気が付くということですね。 この問題を、ボルトから見ていくことは1つの方法です。 ボルトはSS400がおススメ 配管はフランジで接続することが多いです。 ねじ込み継手は漏れが怖いですからね。 フランジにボルトで固定する時の、ボルト材質はSS400が適切です。 これは、SUS304のボルトを避けた方が良いという意味。 配管材質との組み合わせによっては、ボルトが外れなくなってしまいま
粉体を扱うラインでは詰まりは常に付きまとう問題です。 特に真空下で運転する場合には、真空ラインが粉体によりトラブルを起こしがちです。 その問題を解決するには、結構な装置が必要になります。 後で困らないように、導入段階から考えましょう。 粉は巻き上がる 当たり前の話ですが、粉は巻き上がります。 例えば粉体が容器の中に入っている状況を考えましょう。 容器を真空にするために、気相部を排気していきます。 ここで、空気だけが外に排出されて粉は全く動かない、と勘違いしたプロセスが割とあります。 実際には粉は気体と一緒に巻き込まれます。 容器が真空ポンプと連結している状況を考えましょう。 粉が気体と一緒に巻き上がるので、配管内に粉が付着して最終的に閉塞する可能性があります。 最終的には閉塞しますが、その手前には配管の流路面積が狭くなっていき、圧力損失が増えて、所定の真空度を得られないという形で表れてきま
化学プラントのように古い会社では、組織ごとに役職が決まっていて、昇進の枠が決まっています。 無理やり枠を足すことは可能ですが、その可能性に期待せずに現状の範囲内で考えると、昇進速度にどうしても差が出てきます。 ここで遅れた人がどういう風に変わるかを、業務態度の面で見ていきます。 一言で言うと「やる気が無くなる」ですが、その意味合いは昇進するポジションに対して少しずつ変わっています。 主任に上がるのが遅れる 主任クラスに上がるにも、現場職(オペレータ)と事務職とで分かれます。 オペレータ オペレータでは主任クラスに上がるのは、極めてまれでしょう。 その一歩手前のポジションの交代勤務の各班長クラスに上がるだけでも、競争を勝ち残らないといけません。 狭き門を潜り抜けた最後の到達点が主任に相当します。 40歳以上になって初めて主任が見えてくる感じです。 主任に上がるのが遅れたとしても、意外と何も感
スパイラルダクトは飲食店などを中心に世間一般でよく見られるダクトです。 化学プラントの多くの配管に見慣れている特殊な人を除けば、世間一般によく認知されている確率が高い配管類でしょう。 見た感じオシャレにも見えます。 化学プラントでも当然使えるのですが、使いどころを間違えると失敗しますので、注意しましょう。 空気を送る スパイラルダクトは空気を送るダクトという認識を持ちます。 対抗馬であるパイプに比べて板厚が薄く、強度的にはもろいです。 液体は当然NGですし、空気でも高圧はNG。 空気以外の気体だと腐食する可能性があるので、化学プラントでは使いどころが限定的です。 耐食性だけを考えるとSUS304にすればいいのですが、もらい錆の可能性が十分に考えられます。 そうすると、使いどころは結構絞られます。 廃棄するだけの用途の排ガスをどこかに送る エアーカーテン目的で空気を送る 人の健康空調目的 こ
設備トラブルは、運転をしていく上で完全に防ぐことはできません。 逆に、いつ起こってもおかしくありません。 生産技術エンジニアはトラブルのたびに対応して、こういうことを言われるでしょう。 で原因は?対策は? この質問に対して、私も完璧に答えを出したことは今までありません。 絶対に無理とすら思っています。 メーカーに聞いても正確な答えは出ません。 そういう時にも、メーカーの知見は必要なので、どういう話をしたらいいか?という現実目線で私が対応していることをまとめました。 トラブルが一見解決してしまうと、ユーザーもメーカーもその後の対応を忘れがちです。再発防止の対応を疎かにしていたら、同じトラブルが頻発することになるので、生産技術や保全はしっかり対応したいところです。 まずはメーカー営業に聞く トラブルが起きてメーカーに連絡すると、結構早く見てくれることが多いです。 そこで何かしらの見解をもらえた
プラントの建設後や大改造後の立ち上げは、試製造という位置づけで多くのメンバーが交代でプラントの運転に立ち会います。 ここで、計器が絶対に正しいと思い込んでいると、相当痛い目をみます。 もちろんそうならないように、水を流した運転の時に校正をします。 この校正を持って、計器が正しいと思ってしまいがちなので、注意しましょう。 液面計は現地でチェック 液面計は、タンクに実液を入れる前に水を入れて校正をします。 信頼のおける流量計や重量計などを使いながら、タンクに水を張っていきます。 流量計の値と液面計の値をグラフにしていき、ズレが無いかを測定レンジ全体で確認します。 これで液面計は問題ないはず。 そう思って運転していると、いくつか落とし穴にはまります。 実液の密度が予想値と違っていて、液面計が正しい値を示さない 油だけを測りたいはずなのに、液面計近くに水が残っていて真値を示さない 粉やガスによって
化学プラントの工事では設備更新が中心になりますが、付帯する土建工事の量で全体投資額が左右されます。 特に床の着脱工事は大きなウェイトを占めます。 お金の面でも時間の面でも。 床の着脱工事をできるだけ小さくするためには、建設時や改造時などにいくつかの仕掛けを作っておくと良いでしょう。 ビスで止める 1つ目の方法は、床を溶接で止めずにビスなどで止めるという方法です。 床は梁もしくは根太と溶接をして固定します。 溶接をしたり溶接部を切ったりする作業はとても大変です。 それならボルトなどネジで固定してしまえばいいだろう。 その発想がビス止めです。 床面より高い位置にボルト頭が出なければ、躓くこともないので、ねじの種類は問いません。 ビス止めすることで、液体が下階に落ちてしまうリスクがあるので、シリコンコーキングなどの方法で簡易シールしましょう。 液を漏らさないことが前提である化学プラントでは、シリ
化学プラントのような危険物を扱うプラントで、一度設置した設備はかんたんには変更できません。 どんなに優れたものであっても、それまでの実績のある設備に対して有利不利をしっかり評価したうえで、さらにお試し的な扱いをして合格が出れば交換するという、確実な手法を取ります。 そこまでの変更で早くても1年程度の時間が掛かってしまいます。 他業界の人から見たら、時が止まっているように見えるかもしれませんね。 お試しに万が一失敗した場合の、リスクが大きいですから仕方ありません。 それでも、少しでも安全にテストができるようにするには、いくつかのコツがあります。 被害を最小限に止める配管構成 設備のお試しをするには、失敗に対する被害を最小限にする手段を考えましょう。 具体的には配管を上手いこと改造します。 例えば以下のような方法を取ります。 それぞれテストの目的によって変わりますので、個別に解説しましょう。
化学プラントの機電系エンジニアの仕事の1つに、設備トラブルの原因解析があります。 専門家とは言い切れない機電系エンジニアが、1人で判断できるわけではありません。 いろいろな要素を考える必要があります。 この中でも、最初に酸をとにかく疑いましょう、というのが言いたいこと。 検討する要素が多ければ多いほど、見失いがちです。 酸性液体は金属を腐食させる 酸性の液体は金属を腐食させます。 漫画とかでありがちなドロドロの液体が、何でも溶かすイメージ。 あれが酸そのものと思っていいでしょう。 鉄は簡単に腐食させますが、ステンレスでも酸性液体で持たないケースはいっぱいあります。 だからこそ、ガラスやフッ素という耐酸の材質が開発されています。 これが材質の王道パターン。 鉄 → ステンレス → ガラス というパターンが基本であることは、常に意識しておきたいことです。 酸を使った反応が多いため、酸性液体自体
化学プラントでは溶接などの火を使う作業は、とても厳しく取り締まります。 タバコですらも厳しく取り締まります。 この理由は、引火爆発がどこで起こるか分からない、というもの。 先日、大阪万博のトイレ建設現場で、溶接作業中のメタンガスへの引火による爆発が起きています。 地下から発生したと考えられているようです。 怖いですよね。 一般人が行き来する場所でこの事故が起きると、工事が起きて開催したとしてもタバコをどうやって取り締まるのか極めて気になります。 爆発の元になるものがどこに溜まっているか分からない 化学プラントでは、メタンガスに限らず引火爆発する物質がどこに溜まっているか分からないという問題があります。 化学物質は地中に溜まる 化学物質は地中に溜まっていてもおかしくありません。 水より密度が軽い・重い関係なく溜まります。 規制が緩かった当時に、地下に危険物を廃棄したり、漏れていったりしたもの
LOTO管理は機械の点検を行う時に、今や必須の考え方です。 はさまれ巻き込まれの労働災害は、目に見えない危険で発生する頻度も多い恐ろしいものです。 化学プラントでは入槽作業が、典型的なLOTO管理対象です。 LOTO管理自体がかなり昔から存在しますし、LOTO管理という名前を知らなくても対策をすでに取っていた会社も多いでしょう。 入槽作業のLOTO管理の典型例を解説します。 電力遮断 槽は一般に撹拌付きの槽です。 入槽作業時に、撹拌機が動いてしまうと、はさまれ巻き込まれが起きます。 人と同じ程度のサイズの撹拌機が、急に回ってしまうことを考えるだけでも恐怖。 確実に遮断しましょう。 ブレーカー遮断 LOTO管理の典型例である電力の遮断は、ブレーカーの遮断を行います。 遮断してカギを掛けて、タグを現地に付けます。 LOTO管理をしているというためには、最低限必須ですね。 スイッチの遮断 電力の
化学プラントの機電系エンジニアのキャリアは、あまり広くはありません。 会社による部分が多いでしょうが、工場現場の生産技術系の仕事が会社人生のすべて、という人も多いと思います。 とはいえ、例外はあるのは確か。 最初に工場現場の生産技術に配属されてしまった化学プラントの機電系エンジニアには見えにくい、キャリアの可能性について解説します。 異動できるかどうかは運しだい・・。 工場の生産技術 化学プラントの機電系エンジニアは工場の生産技術系の仕事をします。 設備の詳細設計→メーカーに製作依頼→図面チェック 配管図の作成→チェック 工事現場での指揮監督 保全としての運転中のトラブル対応 ざっくりこういう系統に分かれるでしょう。 専任・兼任どちらにするかは会社によったり組織によったりします。 教育目的では、この4つの仕事全部を経験することで、機械系として工場現場をマスターしたと胸を張って言っていいでし
化学プラントのエンジニアはプロセス系・機電系問わず、非常に幅広い知識が求められます。 日々勉強を続けていきますが、必ずこの問題に直面します。 種類が多すぎて理解できない 何から手を付けていき、どこまで理解すればいいか分からず、ボリュームに圧倒されてやる気が無くなってしまう。 人によって受け入れることができる範囲と深さが違うのは当然。 化学プラントの機械系エンジニアとして私も様々な知識をこのブログで記載していますが、実際には実務で使う範囲は非常に限られています。 その辺りをざっくり解説しましょう。 専門家ではない 化学プラントの機械系エンジニアは、機械に関するエキスパートではありません。 自分たちで機械を作るわけでなければ、補修も専門的なものならメーカーに依頼します。 3D-CADで設計試作をして量産化するわけでもありません。 世の中にある多くの機械設備を組み合わせてプラントを作り上げ・維持
製造業では、利益を最大化すべくプロセスの合理化は絶対的な課題となります。 工場、特に製造や生産技術ではおもに変動費を対象にして、合理化を考えていきます。 古くからある製品ですでに合理化は終わったと考える場合もありますが、ゼロベースで考えると意外と検討できることが残っていたりします。 化学反応を例に解説していきましょう。 安い原料を使う 合理化を考えるときに最初に思いつく物が、安い原料を使うということ。 汎用性のある原料なら値段差があまりありませんが、特殊な原料が狙いやすいです。 化学プラントで特殊な原料となると、それを作ってくれる会社があまり多くは無いので、調べるのがとても大変です。 設備的に作れそうだと思っていざ作ってみても、品質を満たさないということはたくさんあります。 むしろ成功する確率の方が少ないでしょう。 品質規格で決まってしまうので、製品としての規格を変えれる場合は、安い原料を
プラント設備などの設備を設置する際、1台の大型設備を導入するか複数台の小型設備を導入するかで大きな違いがあります。 特に昔のプラントであればあるほど、1台の大型設備を使っていると思います。 これを小型・複数台化(便宜上、関連する台数制御の単語を使って、台数制御化と呼んだりします)するときに、考えておくべきことをまとめました。 設備の主仕様は変更前後で変わらず、入口出口の条件は同一とします。 能力検証 最初に行う検討は能力検証です。 例えば、ポンプで1台100m3/hの能力であったものを、2台の50m3/hに分割するか10台の10m3/hに分割するかという検討をします。 台数を多くするほど、細かな調整が可能となります。 ここで、運転条件の定義が大事です。 運転条件をほぼ変えることができない連続プラントの例では、台数が多すぎない方が有利です。 100%ロードで設計された設備に対して、1台の場合
バッチ系化学プラントは多品種少量生産の典型例です。 化学プラントのように24時間365日運転して効率的な生産が求められる業界であっても、生産数量が多くない場合には1年間連続的に動かさずにバッチ生産を行います。 そんなバッチ系化学プラントの生産計画を立てるときには、いろいろな調整が発生します。 かなり面倒です。 連続プラントでも起こる問題はありますが、バッチプラントを見ていて特に大変だと思うことをまとめました。 販売量の予測がしにくい バッチ系化学プラントの生産計画の最大の悩みは、販売量の予測がしにくいという点にあります。 生産量の調整がしやすいようにバッチ生産を基本としているためか、販売量の予測ができなくても責められることがあまりありません。 その代わりに、工場サイドでは必要な生産量を必達するように厳しい要求が出たりもします。 商業生産をするときに、それなりの販売予測を立てるものの失敗する
粉体製品の異物混入問題は深刻です。 半導体や医薬などはいかにも厳しいという印象を持つ人もいるでしょうが、それ以外の粉体製品でも決して疎かにしていいわけではありません。 各種対策を取るものの、残念ながら異物混入は起こってしまいます。 社会的に問題にならないレベルでも、起こった時にはかなりの対応が求められます。 ロットの特定 異物混入が認められた場合、ロットの特定を行います。 分からない場合は恐ろしく悲惨。 全量回収して調査という想像したくもない手間が掛かります。 通常はそうならないように、毎バッチのチェックを掛けて、影響範囲を最小化させようとします。 ちゃんとチェックできていたら、1バッチだけしか問題にならないはずですよね。 実際には数バッチや10バッチを越える範囲で影響が出てしまうこともあります。 いずれにしろ影響範囲を特定しない限り、次の対応が取れなくなるので、最初に特定しましょう。 出
製品の品質を保証するためには、異物は徹底して排除しないければいけません。 化学プラントなどプロセス系の製造業では、液体や固体の製品が多く、異物が問題となりやすいです。 かといって、半導体や医薬などのようにクリーンルームにするまでの要求はありません。 中途半端です。 この状態で、異物をできるだけ排除するための対策をいくつか解説します。 目視確認 異物混入を防ぐためには、最終的には人の目で確認が大事です。 原料を設備に投入する前に、原料袋を開けて丁寧にチェック 原料を投入する前に、設備内をチェック 投入中に異物が入っていないかチェック 原料を投入した後に、設備内をチェック 設備内に溜まった原料を排出した後に、設備内をチェック 目視確認のタイミングはいっぱいあります。 このタイミングで逐一確認する丁寧さが求められます。 とはいえ、完全に人に頼り切った手段なので、ミスは起こりえます。 フィルターを
ゴムホースとフレキシブルチューブは使い分けがしっかりとできます。 何気なく使っているかも知れませんが、だからこそ事故が起こりやすいです。 無難な選択は、ゴムホースを全く使わずにフレキシブルチューブだけを使うこと。 これでも運用できる工場は一部存在すると思います。 ゴムホースを使わないといけない工場がほとんどだと思いますので、しかkり使い分けをしましょう。 耐圧性があるかどうか、がポイントですね。 ゴムホースは危ない ゴムホースは耐圧性が無い危ないものと考えます。 最高使用圧力などしっかり定めているものの、その状態でいつまで使えるかは分かりません。 ゴムホースは使っているうちに確実に劣化します。 購入したけど全く使わない状態で劣化します。 使っている時にも振動や伸縮で劣化します。 問題なさそうに見えて、実は劣化が進展しているということもあるので、運転中に人が触ったりするだけで壊れる可能性もあ
ガスラインの材質選定の問題は、化学工場ではとても大きな問題になります。 いくつかの考え方がありますが、化学プラントであれば金属系の配管にすることが基本だと私は思っています。 ところが、私の身近なプラントでも必ずしもこの思想で設計されているわけではありません。 選定の背景や起こりうることをまとめました。 設計の重要度が下がりやすいのがガスライン。だけど問題はここで起きます。7 静電気着火のリスクが高い 化学プラントのガスラインの設計で最も気を付けるべきことは、静電気着火です。 ガスには有機溶媒が一部含まれているからです。 プラントの反応や運転で発生したガスをどこかに集めようとしているのだから、有機溶媒が含まれていても当たり前のはず。 ところがガスラインの設計をするときには、この当たり前の事実を意外と忘れ去ってしまいます。 ガスラインの中には圧力容器を回避するために、大気に一度開放することがあ
化学プラントの建設をするときは、大きな仕事をしているという目の前の事実にやりがいを感じやすいです。 建設では往々にして立ち上げまでの短い期間(2~3年)の部分しか見えておらず、以降の何十年と続く保全の部分を見ない人だらけ。 連続プラントなら問題にならないような問題でも、バッチプラントなら問題になりやすい点があります。 どんなことが困るのかまとめて見ました。 設備の標準化かできない プラント建設の設計では、目的のプラントの運転条件を最適化するための、設備設計がなされやすいです。 昔は、プラント建設では担当者のエゴを1つは盛り込むこと、というようなことまで言われていました。 これはプラント設備の技術が時々刻々レベルアップしていた時代で、新しいものを取り込まないと時代に遅れてしまうという危機感があったからでしょう。 今ではで設備の技術なんてほとんど変わりません。 保全のことをもっと真剣に考える時
JIS A 9501 保温保冷工事施工標準の計算表を使った、ちょっとした応用です。 以下の記事を先にご覧ください。 JIS A 9501|最適保温厚みを計算しましたJIS A 9501 保温保冷工事施工標準の計算表を使って、最適保温厚み(Insulation thickness)を試しに計算してみました。 保温厚みの計算をして自社に最適な設計をしている会社は、おそらく相当少ないと思います。 JISの基...neoneeet.com2024.03.13 ここで保温材単価や熱量単価という単価の情報が入っています。 保温材の最適厚みを計算する時に、これらの単価の情報に依存する部分があるので、最適厚みは固定ではなく定期的な見直しをする価値はあります。 簡単にパラメータを振って確認してみましょう。 配管外径と保温厚みに対するコスト比較 配管外径と保温厚みを変えたときに、コストがどう変わるかを最初に考
化学プラントでヘルメットが必要な理由を解説します。 工場でヘルメットを付けないなんて、あり得ないですよね。 この考え方は今では当たり前ですが、50年~60年くらい前にはそうでもなかったようです。大先輩から聞きました。 ヘルメットが当たり前になりすぎたため、危険性は分からないものの危険と言われているからとりあえずヘルメットを付けていて、工場に入ってしまう人が割と増えています。 怪我をする確率は減りますが、それでも痛いことに変わりありません。 こういう危険があるから、ヘルメットを付けているということをしっかり理解して、見学者など工場に慣れていない人にも説明できるようになりましょう。 歩いている時に配管に頭をぶつける 化学プラントでヘルメットが必要な理由として最も大きい理由は、歩いている時に配管に頭をぶつけるです。 頭をぶつのはとても危険ですよね。 プラントに立ち入る人すべてに関わる危険性です。
若手社員の昇進を左右させる要素を考えました。 JTCならどこでも似たような感じではないでしょうか。 少なくとも製造業だと似たようなものだと信じています。 特に若いうちは昇進の速度はほとんど変わらず、±1年で差が付く程度です。 10年くらいスパンで昇進するフェーズに対して、9年目で上がるか11年目で上がるかという感じです。 昇進カーブが違う採用形態でも基本的な考え方は同じでしょう。 人事は各組織の仕事を知らない 若手のうちの昇進を決めるのは、人事の評価と言っても良いと思います。 この人事が各組織の仕事をちゃんと知っていないということがポイントです。 定性的な表現をすることはできても、組織の中での貢献度を適切に表現することはできません。 相対評価 例えば、化学プラントの場合は製造部が圧倒的に貢献度が高いわりに、相対的に貢献度が低い機電系エンジニアと、人事評価上は同じ貢献度だと表現されたりします
工事では品質トラブルは大なり小なり発生してしまいます。 新しい現場や新しい人と仕事をするときには常にトラブルが起こりえますが、いつもの現場で同じ人と仕事をしていてもトラブルはゼロにはできません。 どういうことが品質トラブルになりえるか、経験したことをまとめました。 ボルトナットが配管中に混入する 化学プラントの工事中に起こる品質トラブルで最も多いものだと、個人的に思っています。 現場で配管を組み立てている時に、ボルトナットを間違って落としてしまって配管中に混入してしまいます。 ちゃんと配管から抜き出せばいいのですが、横着して配管中に居残ったまま工事を終わらせてしまう例があります。 意図的でなくても、気が付かないうちに混入してしまった例もあるでしょう。 配管のフランジ接続が多い現場ほど、リスクは高いです。 ボルトナットの混入は、グラスライニング設備などプラントによっては、設備を破損させる可能
記事内に広告が含まれています。This article contains advertisements. タンク底の分液配管の具体的な例を解説します。 ここは配管設計でとても大事な部分で、設備の設置高さやプラント高さにまで影響を与える超重要な要素です。 どういう部品が必要かを理解して、後々に影響が出ないようにしましょう。 一度設置した後で改造しようとしたら、とても大変です。何回も苦しみました。 通常の使い方分液配管で典型的な部品類の構成を示します。 タンクの底からポンプにつなげるだけと思っていたら、大間違い。 いろいろな部品が合わさっています。 まずは通常の使い方から見ていきましょう。 使い方は凄くシンプルに、タンクとポンプを繋ぎます。 使わないバルブは閉めておきます。 覗き窓を通すことで油層と水層を目で確認することができ、ポンプを止めて送り先を切り替えます。 アナログな仕組みです。 目で
記事内に広告が含まれています。This article contains advertisements. 配管にはバイパスラインが付いていることが多いです。 何となく昔から使っているから使うのが当然だと思ったりしますが、実は結構考えないといけません。 当たり前を疑ってみましょう。 バイパスラインの構成バイパスラインの定義を最初に紹介します。 迂回路の意味があるバイパスラインはメインラインを回避するラインとして設置します。 黄色部には装置や配管部品などが設置されています。 通常はメインラインを通して、目的の運転を行います。 ところが対象となる装置や配管部品(黄色部)は故障することがあります。 この場合にも、運転を止めないようにするためにバイパスラインを設置すると言われています。 バイパスラインはメインラインが故障したときに使う 具体例バイパスラインの目的は明確ですが、バッチ系化学プラントで使
記事内に広告が含まれています。This article contains advertisements. ポンプの選定は簡単なようで奥が深いです。 特にメカニカルシールは選択肢がいっぱいあって、最適な物を選ぶには知見が必要です。 どれも一長一短ありますが、悩んだときにはいくつか選択肢を提案しつつ、最終手段としての選択肢も準備できるようになりたいですね。 そんな最終手段が私の中ではダブルメカニカルシールです。 プラントによって課題が変わるので、ダブルメカニカルシールが必ずしも万能とは言えませんが、それでも可能性が高くなる理由を解説しましょう。 内容物の漏洩に強いダブルメカニカルシールは、内容物が外部に漏洩する確率を下げることができます。 すごくシンプルに言うと、ダブルメカニカルシールが2重シールだからです。 1重シールであるシングルメカニカルシールは、1つ目の壁が突破したら漏れとして検知され
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