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装丁を味わう
news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko
男性の乳腺外科医が、手術直後の女性患者の胸をなめるなどしたとして、準強制わいせつに問われている事件の上告審で、1月21日、弁護側検察側双方の意見を聞く弁論が最高裁第二小法廷(三浦守裁判長)で行われた。 この事件では、被告側は当初からわいせつ行為を否定し、女性の訴えは、麻酔の影響で幻覚を見る「せん妄」の可能性が高い、と主張している。東京地裁はその主張を認め無罪としたが、控訴審の東京高裁はそれを覆し、懲役2年の実刑を言い渡した。 弁護側は主任弁護人の高野隆弁護士が約1時間にわたり、裁判所が専門家の鑑定や証言を判断する際に求めるべき「科学的に信頼される方法」をテーマに弁論を行った。その後、古賀栄美検事が被害を訴える女性の供述を重視する立場から「女性の訴えは現実か、それとも頭の中だけで見た幻覚なのか」の二者択一を求める形で約30分、主張を展開した。 二つの争点・弁護側の弁論 本件では ①被害者の胸
新型コロナウイルスの重症患者が急増している。特に40代・50代の重症化が目立つのが第5波の特徴で、東京都では重症患者の6割を占める。だが、この年代へのワクチン接種の進み具合は、自治体によってばらつきが大きく、かなり遅れている所も多い。そんな中、東京都墨田区では、今月7日時点で1回の接種を終えた40代は区民の6割を超え、50代は7割近くに達している。 今月13日付日経新聞電子版によると、同紙が緊急事態宣言下にある6都道府県の主要都市の1回目接種率を調べたところ、墨田区は50歳代で71.9%、40歳代で60.6%とダントツに高かった。40代については、さいたま市(6.7%)、那覇市(16.4%)、大阪市(17.7%)、世田谷区や品川区(17.8%)などと接種率が伸び悩む自治体が少なくない中、墨田区の進捗状況は際立っている。その効果か、陽性者数の推移を示すグラフからは、陽性者が下降の兆しも見てと
今夏のオリンピック・パラリンピックの開催やそのあり方を巡っては、国民の意見は分裂している。政府やオリ・パラ組織委員会などの方針と、国民の受け止めも乖離している。 6月19、20日に行われた朝日新聞の世論調査では、「今夏に開催」が34%(5月は14%)、「中止」32%(同43%)、「再延期」30%(同40%)と意見は割れた。今夏は行わない、という意見が依然として6割強だが、実施する場合のあり方についても「観客なしで行うべきだ」53%、「観客数を制限して行うべきだ」42%と。2つに割れている。 同じ日に行われた産経新聞とFNNの世論調査では、質問の仕方が異なるが、「中止する」30.5%、「観客を制限して開催する」33.1%、「観客を入れないで開催する」は35.3%と、やはり意見が割れる結果になった。 この両日に行われた共同通信の世論調査でも、「無観客で開催するべきだ」が40.3%、「中止するべ
アメリカでトランプ支持者たちが、連邦議会に乱入し、大統領選の投票結果を認定する議会の手続きが一時停止する、という前代未聞の事件が起きた。選挙結果に抗議する集会で支持者を煽る演説を行ったトランプ氏への批判が高まっている。 トランプ・マジックが解けた? 再開された議会では、議長を務めたペンス副大統領、ミット・ロムニー上院議員ら共和党陣営からも暴力への批判や選挙結果の正当性を認める発言が出た。トランプ政権の元高官からも批判が発せられ、現政権からも辞任の動きが出ている。 死者まで出る衝撃的な出来事で、これまでのトランプマジックが解け、目が覚めた人も少なくないだろう。まっとうな共和党員は距離を置き、トランプ氏の政治的影響力にも変化が出てくるのではないか。 カルト性を高める熱烈支持者 その一方で、残った支持者はますます「カルト性」を強めていくのではないかと心配だ。 トランプ氏とその熱烈支持者は、分断を
東京第6検察審査会は12月24日、新型コロナウイルス感染防止のための緊急事態宣言下で、賭けマージャンをしていたとして告発され、不起訴処分となっていた黒川弘務・元東京高検検事正と新聞社の社員ら3人についての議決結果を公表した。黒川元検事正については、賭博の被疑事実は「起訴相当」と判断。収賄に関しては「不起訴相当」とした。また新聞社社員ら3人については、賭博に関しては「不起訴不当」、収賄は「不起訴相当」とした。 議決では、黒川元検事長について「刑事罰の対象となる違法行為を自制し、抑止すべき立場にあった」とし、その「立場」や「社会的影響」を踏まえると、「(不起訴とした)検察官の判断は誤っている」と結論づけており、その「立場」をより重視。賭けのレートは一般的で、公務員を重く罰する規定がないことなどを理由に、起訴猶予とした検察の判断を批判した。 東京地検の山元裕史次席検事は記者会見で、「議決を真摯に
東京都青梅市が発注した公共工事の指名競争入札で談合があったとして、公契約関係競売入札妨害(談合)罪に問われたものの、一審の東京地裁立川支部(野口佳子裁判長)が無罪とした、同市内の土木建設会社「酒井組」の酒井政修・前代表取締役(64)の控訴審で、東京高裁(中里智美裁判長、河原俊也裁判官、友重雅裕裁判官)は9月16日、原判決を破棄し、罰金100万円とする逆転有罪判決を告げた。被告・弁護側は「信じられない判決だ」として、上告する方針を明らかにした。 争点は「公正な価格を害する目的」があったか 本件では、入札前に他の業者5人と電話で話をしたことが、「公正な価格を害する目的」があったとされ、酒井さん1人が逮捕・起訴された。 一方、被告・弁護人は「公正な価格を害する目的などない」と主張した。それによると、本件工事は利益が見込めず、社内でも受注意欲は低く、他の業者も同様であることが予想された。ただ、長年
JR東海のリニア中央新幹線建設工事を巡って、ゼネコン4社で談合があったとして、大川孝・大成建設元常務執行役員と大沢一郎・鹿島建設元専任部長、法人としての両社が独占禁止法(不当な取引制限)に問われている事件。9日、東京地裁(楡井英夫裁判長)で最終弁論が行われ、結審した。弁護側は、「本件では、専らJR東海の行為により、『不当な取引制限』の前提となる『競争』が存在しない状況になっていた」などとして、いずれも無罪を主張した。 検察側は「国民経済に悪影響」と論難 起訴状によれば、両被告人は、大林組と清水建設の担当幹部と会合を繰り返し、JR東海が発注するリニアの品川、名古屋両駅の建設工事の入札で事前に受注予定業者を決めるなどの合意をし、受注予定業者が自社の見積価格を他社に連絡した。検察側は、そうした行為が「公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」を禁じた独禁法違反に当たる
長野県安曇野市にある特別養護老人ホーム「あずみの里」で、おやつのドーナツを食べた直後の女性入所者の体調が急変し、その後死亡した件で、准看護師の山口けさえさんが業務上過失致死に問われた刑事裁判で、東京高裁(大熊一之裁判長、奥山豪裁判官、浅香竜太裁判官)は28日、一審の有罪判決は「予見可能性を適切に捉えていない」などとして破棄し、無罪とする判決を言い渡した。 ドーナツを食べた直後に崩れ落ちた あずみの里で提供されていた、小ぶりのドーナツ 女性入所者Kさん(当時85)が倒れたのは、2013年12月12日午後3時15分頃。おやつでは、17人の入所者にドーナツ、もしくはゼリーが提供されていた。介護職員が行うおやつの配膳を手伝っていた山口さんは、嚥下障害のないKさんにはドーナツを提供し、近くで全介助が必要な別の入所者に、おやつを食べさせていた。その背後で、Kさんは声を挙げることもなく、もがくこともなく
男性の乳腺外科医が、手術直後の女性患者の胸をなめたとして準強制わいせつ罪に問われたものの、一審の東京地裁では女性の被害の訴えは、麻酔の影響による「術後せん妄」の可能性があるとして、無罪とされてた事件。東京高裁(朝山芳史裁判長、伊藤敏孝裁判官、高森宣裕裁判官)は13日、原判決を破棄し、医師を懲役2年の実刑とする逆転有罪判決を言い渡した。被告・弁護側は記者会見で、「このまま冤罪を放置できない」として、即日上告した。 逆転有罪判決は、支援者にも大きな衝撃を与えた(国民救援会提供)一審は科捜研の鑑定方法にも疑問符をつけていた 一審判決では、被害を訴えるA子さんのほか、その母親、他の医師や看護師、同室の患者などの証言を細かく検討し、A子さんの訴えは麻酔薬や痛みの影響による「せん妄」の可能性が否定できない、と判断した。 さらに、A子さんの胸から採取した微物鑑定を行った警視庁科学捜査研究所の研究員が、実
新型コロナウイルスの感染がヨーロッパで深刻な広がりを見せて以降、現状を表現するのに、「戦争」という言葉が使われることがしばしばある。それに、強い違和感を覚えてきた。 他人事から一気に「戦争」状態へ 中国・武漢でこのウイルスが猛威を振るっている頃、欧米の人たちの態度は他人事だった。アジアに対する差別的な振る舞いも、(日本にいてさえ)目についた。 それが、イタリアで感染者が急増し、自国も危ういと気づいて、それぞれの国がようやく本気で対応をし始めた。 と思ったら、それは瞬く間に、罰則付きの外出禁止などの強い措置となった。けれども時は遅く、イタリアの他、スペインやフランスでも、連日3桁の死者数が発表された。 フランスのマクロン大統領は、20分ほどのテレビ演説の中で「戦争」を6回も繰り返した。当初は「春になればウイルスは消える」との楽観論で対応が遅れたアメリカのトランプ大統領も、死者が相次ぐ状況に、
新型コロナウイルスで、様々な機関が活動をセーブせざるをえなくなっている中、昨年7月の参議院議員選挙前に、自民党の河井案里議員の陣営が広島県内の首長、県議、市議などに現金を配ったとされる、公職選挙法違反容疑事件は、検察の捜査が続けられ、しばしば報道もされている。そんな中、捜査対象となった県議の弁護人が、「現金を受け取っていないのに受け取ったと決めつけ、執拗に認めるよう強要する取り調べが行われている」として、最高検察庁監察指導部に「適切な対処」を求める要請書を送ったことを明らかにした。 「机を叩きながら自白を求めた」と この県議は、自民党広志会・つばさの渡辺典子氏。弁護人の落合洋司弁護士の要請書によると、渡辺県議は3月下旬から、東京地検特捜部の取り調べを受けている。 渡辺典子県議(広島県議会ホームページより) その中で、案里氏の夫で元法相の克行衆院議員が代表を務める自民党県支部から、渡辺県議の
日本看護協会の福井トシ子会長が22日、日本記者クラブで講演。感染防護などについて国の迅速な対策を求めると共に、新型コロナウイルス対応の長期化が予測される中での提言を発表した。看護師に対する差別的な事案も起きる中、「『おつかれさま』の一言で私たちは報われる」と、国民の理解を呼びかけた。 相次ぐ院内感染に危機感 このところ、院内感染の事例が増えていることに、同協会は危機感を高めている。報道などをもとにした同協会の集計では、20日までに19都道府県54施設で院内感染が起きている。 福井会長が記者会見で示した院内感染の状況 院内感染を防ぐために不可欠の防護具が不足。クリアファイルでフェイスシールドを作ったり、ゴミ袋を防護服の代用にしている医療現場もある。 また、患者に寄り添う看護が制限され、亡くなった患者に対するエンゼルケア(死後の処置)もできないなど、看護師はこれまで体験したことのない事態に直面
東京地検刑事部は4月9日、NHKから国民を守る党(N国)の立花孝志党首(52)を脅迫、不正競争防止法違反、威力業務妨害の罪で起訴した。立花被告は、昨年4月の統一地方選にN国公認で当選し、その後同党を脱退した東京都中央区議を脅迫した疑いで昨年10月に警視庁から書類送検され、さらに、NHK受信料の契約者情報を不正に取得し、それをインターネット上に拡散させると脅してNHKの業務を妨害した容疑でも、今月7日に書類送検されていた。 立花被告は、不正競争防止法違反の起訴事実の当時、立花被告は参議院議員だった。これまでに、脅迫と受信料情報の不正入手に関しては無罪を主張すると発言している。 同地検は、NHKの受信料の契約・収納業務の委託先会社の元社員も不正競争防止法違反の罪で起訴した。 2人の起訴事実の要旨は次の通り。 【公訴事実の要旨】第1 被告人立花は、令和元年6月29日に同党を脱退した被害者A (当
横長の広い会場、記者の数を制限し、間隔をとって行われた首相記者会見(写真:代表撮影/ロイター/アフロ) 新型コロナウイルスの感染に伴う緊急経済対策が発表された。その中1つに、中小企業に最大200万円、フリーランスを含む個人事業主に最大100万円の現金給付の件がある。これについて、受給対象などの詳細が少し確認できたので報告する。 突然の電話 驚いた。菅官房長官から、本日(8日)午前中に電話があった。 「昨日の記者会見で、よくご理解いただけてなかったようなので」と。 事業者向けの給付金制度についてだ。これだけの給付があれば、助かる企業や人は多いだろう。が、収入が激減した個人に対する30万円の現金給付が発表されて、多くの人から歓迎された後、支給対象についての厳しい条件が明らかになって落胆が広がったばかりだ。中小企業や個人事業主への給付については、どういう条件がつけられるのかが気になり、私は7日に
手術直後の診察を装って女性患者の乳房をなめたとして、準強制わいせつに問われた乳腺科医が、一審で無罪となった事件。全国の医療関係者の注目を集めた刑事裁判の控訴審第3回公判が24日、東京高裁(朝山芳史裁判長)で開かれ、検察、弁護側双方が弁論を行って結審した。 せん妄で性的幻覚を体験した可能性 30代の患者A子さんは、2016年5月10日に東京都足立区の病院で、右乳腺腫瘍の摘出手術を受けた。病室(6人部屋)に移された後の午後2時55分頃から3時12分頃までの間、執刀医から左乳首をなめるなどのわいせつな行為をされた、と訴えている。A子さんは携帯電話のLINEで上司に助けを求めるメッセージを送り、その後警察官がかけつけて捜査が始まった。 一審の東京地裁は、乳房手術は術後せん妄の危険因子であり、手術に使われた麻酔薬や術後の痛みがせん妄の原因になる可能性がある、とする専門家証言を重視。A子さんはせん妄に
オウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件の被害者、浅川幸子さんが亡くなった。死因はサリン中毒による低酸素脳症。事件から25年となる日を前にした3月19日、兄の一雄さんが代理人弁護士と共に記者会見して明らかにした。この事件で命を奪われた犠牲者は、14人となった。 「生きていることが奇跡です」 1995年3月20日、幸子さんは仕事の研修のために地下鉄丸ノ内線に乗っていて事件に遭った。心肺停止の状態で救助され、なんとか蘇生したものの、全身に強いマヒが残り、寝たきりに。「奇跡は起こらないんでしょうか?!」と問う母に、医師は「今生きていることが、奇跡です」と言った。 8年半、3カ所の病院で治療やリハビリを受けた後、医師からは介護施設への入所を勧められた。しかし、「うちで見てあげようよ」という妻の言葉で、一雄さんは自宅に引き取ることを決意。2003年から自宅で、ヘルパーの支援を受けながら、一緒に生活
政府の文化・スポーツイベントなどの自粛要請で、クラシックのコンサートやオペラ公演も相次いで中止に。そんな中、通常の公演は断念したものの、無観客上演を行い、それを動画配信サイトYouTubeで無料生中継した滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールのオペラ《神々の黄昏》が、大きな評判を呼んでいる。 視聴数は、最も多い時で同ホールの客席(1,848席)の6.6倍を超え、2日間でのべ36万8520アクセスを記録した。日本のオペラ史上に記録されるだろう、今回の出来事はどのようにして実現し得たのだろうか――。 「なんとかやれる方法はないか」 安倍首相が自粛要請をしたのは、2月26日。首相はさらに翌日夕、全国の学校の一斉休校の要請も行った。そのニュースに、びわ湖ホールの山中隆館長は危機感を深めた。 「『これは(開催が)危ないな』と思いました。でも、1か月くらい前から、ヨーロッパからも歌手が集まって、公演に向けて、ま
「まだ質問があります」――そう声を挙げたが、会見は打ち切られ、安倍首相は降壇し、出て行ってしまった。2月29日午後6時に始まった安倍首相の記者会見。知りたいことはほとんど語られず、質問も事前に用意されていた5問で打ち切られ、36分ほどで閉じられた。首相はその後、私邸に帰った。 首相自身が行った、全国的なスポーツ・文化イベントの中止や延期の要請(2月26日)、全国すべての小中高校の臨時休校の要請(27日)によって、相当の混乱が生じていることから、会見ではその意図や生じる弊害についての対策を説明するものと考え、私も参加した。 質問できたのは幹事社プラス3人 開始直前、菅官房長官らがすでに定位置につき、主役の登場を待っている時に、小太りの男性が額に汗して、会見室に走り込んできた。手には黒いファイル。そのまま演壇に駆け上がり、安倍首相が立つ会見台の上に、ファイルを開いて書類を置くと、また小走りに出
千葉県野田市で小学4年生の栗原心愛さん(10)が虐待を受けて死亡した事件で、傷害致死などに問われた父親の勇一郎被告(42)の裁判員裁判が21日、千葉地裁(前田巌裁判長)で始まった。被告は、傷害致死罪などの成立は争わないとしたものの、「飢餓状態にして衰弱してもかまわないと考えたことは一度もありません。妻に指示して食事を与えないようにしたこと、十分な睡眠を取らせなかったこと、(心愛さんの)背中に座って両足をつかんで反らせたこと、浴室に連れ込みシャワーで冷水を浴びせ続けたことはしていません」など、心愛さんが亡くなるまでの経緯について、事実関係の多くを否認。心愛さんが学校のアンケートで父親の暴力を訴えた、2017年11月上旬の件については、「暴行を加えたことはありません」と否認した。 次女には愛情、長女は虐待 検察側の冒頭陳述によれば、勇一郎被告と妻は、長女の心愛さんが生まれてまもなく別居状態とな
「死亡者の数を最小限にする。これが、オールジャパンで取り組む最大の目標だ」――独立行政法人地域医療機能推進機構理事長で、世界保険機関(WHO)の元西太平洋事務局長の尾身茂氏が2月13日、日本記者クラブで記者会見し、新型コロナウイルス対策は水際作戦を強化するより、すでに感染早期にあるとの認識で、対応するよう提言を行った。 新型インフルでは日本はダントツに死亡率が低かった 尾身氏は冒頭、2009年の新型インフルエンザについてのデータを示し、「対応にはいろいろ批判もあったが、実は日本は世界でもダントツに死亡率が低かった」と述べた。自治体が早期に広範囲な学校閉鎖を行うなどして、初期の流行を一旦封じ込めたことが奏功した、と説明した。 人口10万人当たり。尾身氏の会見資料(2009年11月6日現在のデータ)より作成国内感染早期である、との認識が必要 そのうえで、今回の新型コロナウイルスについて、日本で
長野県安曇野市の特別養護老人ホームで2013年に入居者K子さん(当時85)が、おやつのドーナツを食べた直後に意識不明となり、約一ヶ月後に死亡した事故を巡って、業務上過失致死に問われ、一審で罰金20万円の有罪判決を受けた山口けさえ・准看護師の控訴審初公判が30日、東京高裁(大熊一之裁判長)で開かれ、即日結審した。裁判所は、弁護側の証人申請を1人も認めず、証拠も1点を除いて採用しなかったことから、弁護人は大熊裁判長らの忌避を申し立てるなど、法廷では激しい攻防が展開された。 おやつのドーナツを食べた直後に静かに倒れた 事故があったのは、13年12月12日。山口さんは介護士に頼まれ、17人の入所者におやつを配った。おやつは常菜系とゼリー系の2種類。K子さんは、10月の入所以来、常菜系おやつを提供されていたが、K子さんは大量の食べ物を口に入れる癖があり、嘔吐したことなどから、食事を小分けにして提供す
レバノンに逃亡した後、初めて行った記者会見で、日産元会長のゴーン被告は、実にエネルギッシュに自分の正当性を語った。 その話の中には、驚くような新事実はなかった。逃亡の方法など、多くの人が知りたかった情報は一切提供されない。「日本での政治的迫害」を言うものの、その具体的な内容や関係者の名前も出てこなかった。 それでも、「検察主導、有罪ありきで、やたらと時間がかかる日本の司法の不当性」を国際社会に発信することには成功した、とは言える。特に、保釈後も妻と会わせてもらえず辛かった、妻と会いたかった、との訴えは、日本人が考える以上に、一般の欧米人に響いたのではないか。そこを強調したのは、彼が雇うPR会社の助言でもあったろう。 客観的なメディアが選ばれた、と言うが…… 参加メディアは、彼の側が選び、日本の新聞・テレビはほとんどがはじかれた。参加できたのは、テレビ東京、朝日新聞、小学館のみ。一応、テレビ
この夏から秋にかけて、公的機関の芸術支援と広報活動が渾然一体となって「表現の自由」が議論される場面がいくつもあった。そのいくつかを挙げると―― 河村たかし・名古屋市長は、あいちトリエンナーレ(以下「あいトリ」)の企画展「表現の不自由展・その後」で、慰安婦を象徴する少女像が展示されたことについて、「愛知県や名古屋市が『数十万人も強制的に収容した』という韓国側の主張を認めたことになる」などとして、企画展の中止を求めた。そのうえで、国が「あいトリ」に内定していた補助金の不交付を決めたことについても同調。「(名古屋市も)国と共同歩調を取りたい」とも述べた。 文化庁所管の独立行政法人・日本芸術文化振興会は、映画「宮本から君へ」に麻薬取締法違反で有罪判決を受けたピエール瀧さんが出演していることを問題視。「公益性の観点」から内定していた助成金交付を取り消した。 最近は、人生の最終ステージで意思が表明でき
アジアで初めて開催されたラグビー・ワールドカップ2019日本大会は、概ね成功裏に終わった。台風被害により3試合が中止になり、災害対応について課題を残したとはいえ、ビル・ボーモント会長が「開催国として最高だった」と激賞したのは、まんざらお世辞でもあるまい。 この大会で、日本国内でもラグビーへの注目が一挙に上がり、「にわかファン」なる言葉が流行語化している。 決勝戦も視聴率20%超え 日本代表の活躍で、テレビの視聴率もうなぎ上り。 9月6日に行われた南アフリカとのテストマッチ。会場は盛況だったが、テレビの視聴率は6%台だった 11月3日付朝日新聞によると、9月6日に日本テレビが生放送したテストマッチ、日本―南アフリカ戦の平均視聴率は6%台だった。それが、本番になると、こうなった。 〈日本戦は日テレとNHKが放送し、開幕戦、2戦目の平均視聴率こそ20%前後だったが、3戦目は32.8%、4戦目は3
「なぜTBSのことを書かないのか」「TBS問題に触れないのはあまりに不自然だ」……。昨日、「坂本弁護士一家殺害事件から30年~事実や教訓を正しく後世に伝えたい」のタイトルで記事をアップして以来、こういうツイートがたくさん寄せられている。中には、私が真実を隠し、TBSを擁護していると疑っている人もいる。 この記事は、坂本弁護士一家の人となりや、突然命を奪われた理不尽さを伝え、そして本件は教祖麻原彰晃こと松本智津夫の指示によって起きたことを社会が記憶しておくために書いた。特に、麻原の指示について、実行犯らの証言を詳しくお伝えすることに多くを割いたため、事件に至る詳細なプロセスは省いている。それだけだ。 ビデオ問題が坂本事件を招いた、のか TBSが、坂本弁護士らのインタビュービデオをオウム真理教関係者に見せたことは、報道に携わる者の倫理に反し、強い非難に値する。このことが、麻原の中で坂本弁護士に
事件は1989年、今から30年前の11月4日未明に発生した。 午前3時頃、横浜市磯子区のアパート2階に、6人の男たちが忍び込み、就寝中の坂本堤弁護士(当時33)一家に襲いかかった。 「子どもだけは……」 妻の都子さん(同29)が、長男龍彦ちゃん(同1)の命乞いをしたり、犯人の指を咬んだりして抵抗したが、抑え込まれた。3人は首を絞められたり、口を押さえられたりして窒息死した。 坂本弁護士一家のことボランティア活動を通じて知り合った2人 坂本さんは、ボランティア活動などを通じて、経済的に弱い立場の人や障害者に寄り添う生き方をしたいと弁護士を志した。都子さんとも、車いすの市民集会を手伝うボランティアで知り合っている。 「幸せ探しの名人」 高校生の頃から、ボランティア・サークルのリーダー的存在だった都子さんは、多くの人から慕われていた。19歳の時には、日記にこんな詩を書いている。 〈赤い毛糸に だ
「不自由展」は、天皇タブーをテーマにしたコーナーを過ぎると、広々とした室内に様々な展示を見ることができる。 中でも、目を引くのは、中垣克久さんの竹と紙で作られたドーム型の作品と、慰安婦を象徴する《平和の少女像》だ。 作者の主張がダイレクトに伝わる作品 中垣作品のタイトルは《時代(とき)の肖像ー絶滅危惧種 idiot JAPONICA 円墳ー》。周囲に政治的なメッセージや記事のコピーが張られ、頂上に出征兵士のためと思われる寄せ書きされた日の丸が置かれ、しめ縄がそれを囲む。ドームの中の床には星条旗が置かれ、「9条改憲」についての新聞記事が載っている。作者の政治的な主張がダイレクトに伝わってくる作品だ。 2014年に東京都美術館で開かれた「現代日本彫刻作家展」に出展されたが、「政治的な宣伝になりかねない」として美術館側が撤去を求めた。協議の末、ドームの側面に張られた「憲法九条を守り、靖国神社参拝
遅まきながら、あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」を見ての報告をしたい。 開幕から3日で中止に追い込まれ、県が設けた検証委員会による中間報告を受けて再開したのが10月8日。以降、連日多くの人が鑑賞しようと会場を訪れたが、安全対策の強化と、作品への理解を深めるための説明や議論を行う必要から、入場者制限、手荷物の持ち込み制限、などが行われた。それによる「鑑賞の不自由」については、様々なメディアが報じているので、ここでは省略する。 会場に入る前に 会場は通路からすぐの所にある「調査報道センター」による映像展示が行われている部屋の奥にある。さらに、入り口には半透明のカーテンがかかり(本稿のタイトル下の写真参照)、その手前にこの企画展の趣旨を説明したプレートがある。見たくない人がいきなり展示物を目にしたりすることにならないよう、一定の配慮は行われている。 会場に入る前に予備知識を学ぶ掲示を
「宮本から君へ」(真利子哲也監督)という映画を見に行ってきた。 文部科学省が所管する独立行政法人「日本芸術文化振興会」(芸文振)が、この映画への助成金を取り消した、と知ったからである。 出演しているピエール瀧さんが麻薬取締法違反で執行猶予付きの有罪判決を受けたことで、芸文振は「国が薬物使用を容認するようなメッセージを発信することになりかねない」と判断した、という報道を見て、いったいどういう映画なのか見に行ったのだ。 芸文振はこれをきっかけに、「公益性の観点」から「不適当と認められる」場合には、今後も助成金内定を取り消すことができるよう、交付要綱を改正した、とも報じられている。 映画『宮本から君へ』ホームページより国の姿勢は裁判で示されている 残念ながら、この映画は私の趣味や価値観には合わず、ここで積極的に詳細を紹介しようとは思わない。それでもエンドロールまで見て、この映画は「薬物使用」とは
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