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雑学
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今年も7・26前後に様々な取り組みが 今年もあの凄惨な相模原障害者殺傷事件が起きた7月26日がもうすぐやってくる。社会的には風化が進み、忘れられつつあるが、障害者支援などに関わってきた人たちにとっては忘れることができない日だ。この事件を一貫して追ってきた月刊『創』(つくる)にとってもやはりこの時期になるとこの事件について考えざるをえない。 7月26日(水)当日は、津久井やまゆり園では、かながわ共同会主催の追悼式が予定されている。式典は10時半から11時40分に行われるが、その前後の時間、9時から10時半と12時半から17時までは鎮魂のモニュメントに献花も行われる。 詳しくは津久井やまゆり園のホームページを参照いただきたい。 https://tsukui.kyoudoukai.jp/news/20230623-1.html 津久井やまゆり園の鎮魂のモニュメント(筆者撮影) また同日、元職員の
元裁判員が裁判の内情を異例の告発 ここで取り上げる事件は、2016年12月に長崎県対馬市で起きた父娘放火殺人事件だ。逮捕され裁判で無期懲役が確定した須川泰伸受刑者やその家族とは半年前からやりとりをしているが、今回の主要テーマはその事件そのものではない。 その1審で裁判員に選ばれた人物が、自分が関わって被告が有罪になった裁判をめぐって、本当にこれで良かったのかと疑問を呈し、内部告発を行っているのだ。 裁判員制度が始まってもう14年になる。最近はそのあり方をめぐっていろいろな議論が起きているが、元裁判員がこんなふうに赤裸々に告発を行うのは異例のことだ。そもそも裁判員裁判での評議内容などは守秘義務が課せられており、裁判員経験者が発言すること自体そう多くはないのが実情だ。 そもそもこの事件は決定的な証拠がなく、元被告は一貫して無罪を主張、服役するようになってからも、これは冤罪だと叫び続けている。も
週刊誌に相次いで「逮捕」の文字が 謎に包まれたままの市川猿之助さん「一家心中」事件だが、6月に入って週刊誌の見出しに「逮捕」の二文字が躍った。『週刊文春』6月15日号「猿之助逮捕全暗闘 警視庁vs.東京地検」と『週刊新潮』6月15日号「『猿之助』vs.『警視庁』『自殺幇助で逮捕』後に『未成年性加害』捜査」だ。 逮捕へ向けた動きが進んでいるという。特に『週刊文春』の報道はかなり具体的でリアルなものだ。記事中で匿名の捜査関係者がこう語っている。 「実は、警視庁は六月第一週を目処に、猿之助を自殺幇助の疑いで逮捕する方針を固めていたのです。着手に向け、前週の五月二十五、二十六日には検察庁と協議。捜査状況を説明した上で、身柄を取ることを打診していました」 しかし「五月二十九日、最終的に地検は逮捕にストップをかけた」という。なぜかというとこうだ。 《猿之助は調べに対し、「両親は私が用意した睡眠薬をみず
日本のマンガ市場は極端な寡占化が進行しており、集英社、講談社、小学館の大手3社によって市場の6割が占有されている。マンガのベストセラーの大半がこの3社から出版されているし、マンガは薄利多売の商品ゆえに発行元の総合力が問われ、新規参入がなかなか難しかった。 ところがこの数年、状況は大きく変わりつつある。デジタルコミックの拡大によって、紙が当たり前だった時代に比べてリスクが軽減され参入がしやすくなったのだ。それゆえに中堅出版社のマンガ市場への参入が相次いでいる。 そのうちの文藝春秋、主婦と生活社、マガジンハウス、光文社、新潮社について、ここでレポートしよう。新潮社は後発組といっても20年の歴史を持ち、いまや成功事例として語られる存在になっている。それゆえこのレポートで一緒に扱うのはどうなのか、と思ったが、一つの成功事例として報告する。 文藝春秋コミック編集局とBUNCOMI 2019年7月にコ
東京五輪汚職事件で逮捕勾留されていたKADOKAWA前会長、角川歴彦(つぐひこ)氏の保釈が4月27日になされた。車椅子に乗って現われた角川氏の姿は各テレビ局で放送されたが、実はこの保釈に至る過程には、深刻な経緯があった。 五輪汚職をめぐっては逮捕された他の人たちが次々と保釈される中で、なぜ角川氏だけが今回まで保釈請求が通らず、勾留が続いていたのか。またなぜこのタイミングでそれが認められたのか。実はその背後に深刻な状況が続いていた。 深刻な健康状態でも認められなかった保釈請求 昨年、大手広告会社などに次々と家宅捜索が入るなど、メディア界に激震をもたらしたのが東京五輪をめぐる汚職事件と談合事件だった。もともと五輪をめぐるカネまみれの利権構造は批判されてきたのだが、そこに東京地検特捜部が大きくメスを入れたわけだ。明らかにある種の国家意思が働いたといえよう。 既に裁判も続々始まっており、最大のター
『週刊文春』告発キャンペーンの影響拡大 ジャニーズ事務所のカリスマ創業者ジャニー喜多川氏(故人)による性加害スキャンダルは今、大事な局面を迎えている。所属タレントがテレビ界、映画界を席巻している現実から見れば、同事務所がメディアに対していまだ大きな支配力を持っているのは確かだが、このところ新聞報道や、あるいは様々な領域での識者の発言など、告発の影響は広がっており、これまでのように告発した側が一方的に押さえこまれてしまうという状況ではなくなりつつある。 民放の場合は、ジャニーズタレントなしにはドラマもバラエティも成立しない状況だから、ジャニーズ事務所への「忖度」はかなり大きい。告発キャンペーンを続ける『週刊文春』は4月27日号で「“報道のTBS”は会見にカメラ出さず、“共犯者”民放テレビはいまだ放送ゼロ」と、メディア批判を展開した。ただ名指しで批判されたTBSは、それを気にしたのか、発売後放
「おひとりさま」が実は…という最初の暴露記事 3月23日発売の『週刊文春』3月30日号が「文春は『卑しい人々』 上野千鶴子反論の衝撃中身」という記事を掲載していた。上野千鶴子さんが『婦人公論』4月号に寄稿した記事を「衝撃中身」と言っているのだが、そのどこが「衝撃」なのか。週刊誌のありようを考えさせる記事なので論評しておこう。 そもそものきっかけは2月22日発売の『週刊文春』3月2日号「おひとりさまの教祖 上野千鶴子が入籍していた」だった。発売当時ネットで大きな反響を呼んだ。「おひとりさま」シリーズで知られる上野さんが、実は「おひとりさま」でなく「密かに入籍していた」というもので、このタイトルだけでインパクト十分だった。 中身の方は、本人に取材拒否されたため、なかなか苦しい記事なのだが、「密かに入籍していた」というファクトだけでいけると編集部は判断したのだろう。その号の右トップは「安倍暗殺『
当時の高市発言とキャスターたちの抗議「けしからん番組は取り締まるというスタンスを示す必要がある」といった、とんでもない発言が政権中枢で交わされていたことを示した総務省文書問題。高市早苗経済安保担当相の「文書は捏造」なる、これまたトンデモな発言に振り回されて、当初、本質が少し見えなくなってしまったが、深刻な問題を提起していることは間違いない。 2016年2月にキャスターたちが抗議の会見(筆者撮影) ここに掲げた写真は、2016年2月に当時の高市総務相の「電波停止」発言に抗議したテレビキャスターたちが会見を行った時のものだ。極端な場合は電波停止もあり得るなどと放送を所管する総務大臣が国会で発言した事態は、放送界に衝撃を与えた。 その発言に先立って高市大臣は2015年の国会答弁で、政治的公平性について「放送事業者の番組全体を見て判断する」との見解を説明した一方で「一つの番組のみでも、極端な場合は
1月27日、鈴木邦男さんの訃報に接して衝撃を受けた。鈴木さんの容態がずっと良くないことは知っていたが、まだまだ鈴木さんにはやってほしいことがあるし、日本の言論界に必要な人だと思っていた。 鈴木さんは1995年から月刊『創』(つくる)に「言論の覚悟」という連載を続けており、そのまま続いていれば間もなく30年になる。それ以前から、皇室タブーの特集などに登場していただいていた。『創』の連載陣は長く執筆している人が多いのだが、鈴木さんはその中でも一番長い。 2019年から体調が悪化 ただその連載は2020年に中断したまま休載が続いていた。2019年頃から鈴木さんは、原因不明の病気で転倒を繰り返してきた。その後、パーキンソン病らしいと診断されるのだが、体調も悪化し、他の病気を併発することもあった。 例えば2019年12月には新宿のロフトプラスワンで、あいちトリエンナーレ問題を大浦信行さんらと議論する
決断をくだした市村社長本人に真意を聞いた 1月19日は朝から衝撃を受けた。朝日新聞の朝刊で『週刊朝日』の休刊が発表されていたからだ。発行元の朝日新聞出版のホームページには早朝5時に社告がアップされた。 その日からネットには休刊を伝えるたくさんのニュースが氾濫したが、この記事は、同誌発行元の朝日新聞出版社長に直接聞いた、重い決断をするに至った真相だ。一問一答の形式で市村社長の話を載せるにはニュアンスも含めて丁寧な確認作業を行わなければならないので、とりあえずそうでない形でこの記事を配信することにしたが、もちろん当人にも確認いただいてこの記事をアップしている。 実はその19日、朝日新聞出版の市村友一社長にインタビューすることが決まっていた。毎年、月刊『創』(つくる)の特集の中で同社の社長に話を聞いているのだが、市村社長がその日を指定してきたのは、それ以前に休刊の話はできないし、インタビューの後
「ケイコ 目を澄ませて」が異例の大ヒット 三宅唱監督、岸井ゆきの主演の映画「ケイコ 目を澄ませて」が異例の大ヒットとなっている。12月16日に超大作「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」と同日公開されたが、filmarks調査の初日満足度ランキングで「アバター」を抑えて第1位にランキングされた。 https://filmaga.filmarks.com/articles/210936/ テアトル新宿では公開後も平日昼も含めてほぼ満席状態が続き、「こんなにたくさんのお客さんが来たのは久しぶり」と嬉しい悲鳴があがっている。有楽町や渋谷など他の上映館でもヒットしており、1月以降の上映館がどんどん拡大している。 テアトル新宿発の大ヒットといえば「この世界の片隅に」が有名だが、果たしてそのレベルの大ヒットになるのかどうか。こんなふうに口コミで評判が広がり大ヒットという事例は、この社会の文化や芸術への
7月26日に加藤死刑囚の刑を執行 7月26日といえば6年前に相模原障害者殺傷事件の起きた日だが、2022年のその日、秋葉原事件の加藤智大死刑囚の刑が執行された。 この事件については、私は裁判も大半を傍聴したし、2014年には加藤死刑囚の手記を月刊『創』(つくる)11月号と12月号にわたって掲載した。彼は自分の著書4冊を出版した批評社の編集者に何回か会っただけで、それ以外の接見をいっさい拒否していたから、コミュニケーションの回路を作ることができなかった。今となっては、せめて裁判の傍聴報告だけでも活字にして残しておけばよかったと思う。 秋葉原事件は結局、犯行動機や事件の本質をどう捉えればよいか最後までわからずに終焉させられてしまった。加藤元死刑囚が、社会にとってわかりやすい言葉で自分自身を語ることをしなかったことも一つの理由かもしれない。また本人のキャラクターによる面もあったと思う。 加藤智大
2016年に日本中を震撼させた相模原障害者殺傷事件が起きた7月26日が今年も訪れた。その日の天気は雨で、建て替えによって昨年8月から新たなスタートを切った津久井やまゆり園が雨に煙る様子は、この事件をめぐる哀しみを象徴しているように感じられた。 ちなみにその日、私は締切との関係でやまゆり園には行けず、ここに掲げた7月26日の写真は知人が撮ってくれたものだ。 津久井やまゆり園に私は7月5日に行っており、園長の案内で内部を見せていただいている。 津久井やまゆり園の内部(筆者撮影) 事件の後、やまゆり園は建て替えられ、昨年8月に新たなスタートを切ったのだが、施設の構造をどう変えたかというのは、あの事件をどう教訓化したかに関わる大事な問題で、それについてはいずれ報告したいと思う。 その7月5日に訪ねた時に印象深かったのは、正面入り口にある「鎮魂のモニュメント」に、犠牲になった19人を表わす19の溝が
状況証拠だけで「妻殺し」を宣告 妻を殺したという容疑で逮捕され、1審2審で有罪判決が出された講談社元編集局次長の朴鐘顕さんの裁判をめぐっては、これまでこのヤフーニュースで何度も疑問を呈してきた。決め手となる証拠はなく、状況証拠だけで検察側は、朴さんを「妻殺し」としてしまったのだが、残された子どもたちにとって、それは将来にわたって重たい十字架になりかねない。 昨年、朴被告の母親の独占インタビューを公開したが、先頃、それに続いて母親に、この6年間、残された4人の子どもたちがどんな生活を送ってきて、獄中の父親との関係はどうなっているのか詳しく聞いた。ここにその主な部分を掲載しよう。 その前に事件について簡単に説明しておくと、朴被告の妻・佳菜子さんが亡くなったのは2016年8月9日未明のことだ。法廷での朴さんの説明によると、生後10カ月の幼児を含む4人の子どもの子育てに追われて精神的に不安定になっ
びっくりするニュースが飛び込んできた。 月刊『創』(つくる)で昨年来、キャンペーンを張り、最近は『週刊朝日』やNHK「クローズアップ現代」でも取り上げられて話題になっていた元講談社社員・朴鐘顕さんの「妻殺し」裁判について、最高裁が10月27日13時半より弁論を開くことを決めたという。 最高裁が弁論を開くというのは、2審の有罪判決を差し戻すか、または無罪判決を出す可能性が極めて高いということだ。この裁判、どう考えてもおかしいとこれまで何度も書いてきたが、1・2審の判決がひっくり返る可能性が高くなったといえる。 6月30日の昼頃、朴鐘顕被告の母親から報告とお礼の電話があり、弁護人からも報告があった。「クロ現」にも出演して裁判に疑問を呈していた水野智幸元裁判官に先ほどメールでお知らせしたら「弁論を開くのは、何らかの形で高裁判決を見直す場合ですので、無罪方向の判断(自判か差戻しかは分かりませんが)
4月20日放送のNHK「クローズアップ現代」が反響を呼んでいる。「妻は夫に“殺された”のか 追跡・出版社元社員“事件と裁判”」と題して、講談社『モーニング』編集次長だった朴鐘顕さんが2017年1月に、妻殺害容疑で逮捕され、1審2審で有罪判決をくだされた事件について取り上げたものだ。 いまNHKの番組は「NHKプラス」を利用すれば簡単に見逃し視聴ができるから、見逃した人はぜひ見てみることをお勧めしたい。 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4655/ この事件は、夫が妻殺害という容疑で逮捕・起訴され、しかも夫の言い分では妻が自殺して悲しみに暮れている時にその夫自身が犯人とされた。さらに母を失い、父親が殺人容疑で逮捕されるという境遇に子どもたち4人が追いやられたという、亡くなった妻が他殺か自殺かで状況が180度ひっくり返る特異な事件だ。有罪判決がもし誤判
集英社の『鬼滅の刃』や講談社の『東京卍リベンジャーズ』などのように、マンガは大ヒットすれば莫大な利益を生み出すし、一度基盤ができれば安定した収益をもたらす。そしてリスクの高い紙の雑誌でなくデジタルコミックで連載を起こせるという事情が加わって、幾つもの出版社が参入を試みている。集英社、講談社、小学館の大手3社が約6割と言われるシェアを保つという寡占化が進んだジャンルだが、この1~2年、かつてないほどに新規参入が続いているのだ。 マガジンハウス、光文社、文藝春秋のそうした取り組み、そしてそれらの少し先を行っている新潮社の取り組みについてレポートしよう。 マガジンハウスのマンガ準備室の動き「最初は、マガジンハウスで今度マンガ部門を立ち上げたいので話を聞かせてほしいということだったのです。ところが途中で、編集長として来てもらえないかという話になったのです。びっくりしました」 そう語るのは、2021
テレビ現場からテレビを問い直す動きが MBS(毎日放送)製作のドキュメンタリー映画『教育と愛国』が5月13日より全国公開される。教育の現場を長年追い続けた斉加尚代ディレクターが監督を務めたものだ。 この20年ほど政権が意図して激しい政治介入を行ってきたのは教育とメディアだ。教育については、日の丸君が代が踏み絵とされてそれに抵抗する教師が次々とパージされた。同時に教科書検定への介入も行われ、従軍慰安婦などの記述は削除されていった。 映画『教育と愛国』は、そうした教育現場への政治介入の動きを追ったものだ。何が起きていたのか経緯が丁寧にまとめられている。 教育へのそういう介入については、一時期社会的話題になったが、ここしばらくは正面から批判の声もあがらず何となくタブーになってきた観がある。恐らくそれだけ支配が貫徹したということなのだろう。映画『教育と愛国』はそうした流れに対して正面から批判的に取
『鬼滅の刃』の世界的大ヒットを受けて日本のアニメに対する国際的な需要が伸び、アニメビジネスが爆発的に拡大している。配信の環境が整ったことや、コンテンツが海外市場に売れるようになってビジネスの規模が大きくなったことなど、様々な要因が重なり、テレビ局はアニメビジネスを一気に加速しつつある。 これまで比較的後発と言われてきた局も、日本テレビがアニメ事業部を新設して快進撃を行っていたり、TBSが水面下でかなり取り組みの体制を作っていたりと、アニメビジネスへのシフトを急速に強めている。 ここではその中から、TBS、日本テレビ、NHKの取り組みを紹介しよう。 ちなみに冒頭に掲げた写真は左が日本テレビが関わる『劇場版 転生したらスライムだった件』(C:川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会)、右がTBSが放送していた『プラチナエンド』(C:大場つぐみ・小畑健/集英社・プラチナエンド製作委員会)だ。 さ
戦争を止めるために表現者として何ができるのか 2022年3月10日、日本ペンクラブ、日本文藝家協会、日本推理作家協会の3団体が「ロシアによるウクライナ侵攻に関する共同声明」を発表し、3団体の代表が会見を行った。 新聞・テレビでも報じられてはいるが、会見内容は要約されたものしか紹介されていないので、ここでその詳細を報告しよう。会場で録音したものを文字起こししたものだ。多忙のあいまをぬってテープ起こしをしたのは、質疑応答を含めたその会見が、表現者としての思いが伝わるとても良い内容だったからだ。 私は月刊『創』(つくる)編集部として会見に参加したのだが、個人として日本ペンクラブに属してもいる。会見終了後、桐野夏生会長と話をした。会場を出る時は前々会長の浅田次郎さんと一緒になって少し話した。浅田さんも今回のウクライナ侵攻とその後の事態には憤りを感じているようで、わざわざ駆け付けたという。 連日、テ
秋篠宮家の長男、悠仁さんの高校進学をめぐって「皇室特権」との批判が週刊誌でなされ、宮内庁がそれに反論して応酬がなされた経緯は、1月30日にヤフーニュースに書いた。 宮内庁が秋篠宮家に関する週刊誌報道に怒涛の反論。応酬は今後どうなる? https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20220130-00279642 その後、今度は悠仁さんの「盗用」疑惑なる批判が週刊誌でなされ、その騒動をめぐっては週刊誌内部でも見解が割れるという混戦模様だ。その経過を検証しよう。 結局は提携高制度筑波大付属へ進学 筑波大学付属高校の一般入試合格発表がなされた16日夕方、宮内庁は、悠仁さんが筑波大とお茶の水女子大の「提携校進学制度」によって筑波大学附属高等学校に合格を決めたことを発表した。 わざわざ発表したのは、週刊誌が昨年末以来、その制度を使って入学することを
松田聖子さんはいまだに「外出もできない状態」 松田聖子さんの娘、神田沙也加さんの死をめぐる報道について書いた2021年12月26日の記事は大きな反響を呼んだが、その後の経過を書いておこう。状況は何となく、より深刻になっているような気がするからだ。ちなみに前回の記事とは下記である。 https://news.yahoo.co.jp/byline/shinodahiroyuki/20211226-00274455 神田沙也加さんの死と『週刊文春』自殺報道の衝撃 今のところ、この件についての報道は、『週刊文春』が他を圧倒している。故人に近い関係者の情報提供を受けているからだろう。 同誌の報道を受けて他の週刊誌も取材を行っているようだ。例えばその影響をめぐって『週刊新潮』1月13日号はこう書いている。 「沙也加が命を絶った要因の一つに、前山が元カノと関係を続けていたことに悩んでいたと『週刊文春』が
最後の闘病と社会への発信 12月29日、海老原宏美さんの訃報が新聞で伝えられた(共同通信の配信か)。実際に亡くなったのは24日で、その当日に知ってショックを受けた。なぜならその2日前までメールのやりとりをしていたからだ。23日にはオンラインで講演も行っていたから容態の急変だったわけだ。 海老原さんは、障害者の問題に関わっている人の間では有名人だが、ネットにあがっているプロフィールはこうだ。 《脊髄性筋萎縮症(SMA)と診断され、3歳までの命と告げられる。車いすを使いながら小学校、中学校、高校と地域の普通校に通い、大学進学を機に24時間介助を受けながらの一人ぐらしをスタート。2002年からは自力での呼吸が難しくなり人工呼吸器を使って生活している。現在、障害者の自立を支援する「自立生活東大和」理事長》。 著書も何冊かあるし、NHKのEテレに何度も出演、ドキュメンタリー映画「風は生きよという」の
神田沙也加さんの報道についての事務所と両親の要望 年の瀬に衝撃の事件が相次いだ。ひとつは12月17日に起きた大阪ビル放火殺人事件だ。そしてもうひとつは18日に松田聖子さんの娘、神田沙也加さんが亡くなったことだ。 21日に沙也加さんの事務所はこういうコメントを発表している。 《本日、ご親族のご希望により、密葬という形で家族にて葬儀を執り行わせていただきましたことをご報告申し上げます。 警察による詳細な検証の結果、事件性はなく、転落による多発外傷性ショックが死因であるとの報告を受けました。転落の原因につきましては、神田本人の名誉と周囲の方々への影響を踏まえて公表を控えたく、お含みいただけましたら幸いです。》 そして最後にこう付け加えた。 《なお、ご親族やご友人のプライバシーに関わるような記事の掲載、過剰な取材行為、インターネット上での根拠のない誹謗中傷に関しまして、お控えいただけますよう改めて
冤罪の可能性が高いのに死刑執行されたという衝撃 死刑囚とのつきあいが比較的多い私だが、死刑という刑罰が無期懲役や有期刑と決定的に違うのは、万が一冤罪だったとしても取り返しがつかないことだ。冤罪なのに死刑が執行されてしまうというのは考えるだけで恐ろしいが、実はそれは決して想像の世界の話ではない。今年7月に第2次再審請求が起こされた飯塚事件がまさに、その可能性が高いのだ。 さる9月4日に行われた「飯塚事件の再審を求める東京集会」での弁護団報告を発売中の月刊『創』(つくる)11月号にほぼ全文掲載した。「西の飯塚、東の足利」と言われるように、飯塚事件は、再審無罪が確定した足利事件と並び称されるが、それは両事件とも同じ時期に同じ鑑定方法によって有罪判決が出され、その後、そのDNA鑑定がずさんだったことが明らかになった、という経緯があるからだ。 足利事件の菅家利和さんについては、再審が開かれ、無罪だっ
無期懲役の北村受刑者から衝撃の手紙 死刑執行まで12年間つきあった埼玉連続幼女殺害事件の宮﨑勤元死刑囚を始め、重大事件の当事者と10年20年つきあうというのは、私の場合、そう珍しいことではない。今回報告する日野不倫殺人事件の北村有紀恵受刑者とも、彼女が未決の時代からのつきあいだから、もう20年以上になる。 事件は1993年に起きた。有紀恵さんは不倫相手の男性宅に放火し、結果的に何の罪もない2人の子どもが亡くなってしまうという、凄惨な事件だった。 翌年2月に逮捕されてからずっと獄中生活を送っている有紀恵さんは、月刊『創』(つくる)を愛読し、感想などを手紙で送ってくれる。同時に、彼女が起こした事件とどう向き合い、罪を償おうとしているかについても心情をつづってくる。 北村有紀恵さんの刑は無期懲役なのだが、これは文字通り、刑期に終わりがない懲役だ。ただ仮釈放という制度があって、罪の償いの状況によっ
一般にはいまひとつ知られていないが、いま司法界で大きな議論になっているのが、岡口基一裁判官の「弾劾裁判」だ。既に「不当な訴追から岡口基一裁判官を守る会」が発足、弁護士やジャーナリストなど多くの人が賛同している(ホームページは下記)。 https://okaguchi.net/ この9月8日には岡口裁判官の弁護団が会見を行い、問題点を訴えた。 「弾劾裁判」自体があまり知られていないのだが、当事者である岡口基一裁判官と、大崎事件再審などで知られる鴨志田祐美弁護士が、月刊『創』(つくる)10月号でこの問題を巡って議論した。2人とも異色の裁判官、異色の弁護士だが、この弾劾裁判が三権分立を危うくし、司法の危機をもたらしかねない、という点では一致した。 対談が企画された背景には月刊『創』9月号の連載コラムで、鴨志田弁護士が裁判官のあり方について触れ、岡口裁判官について「言動全てに賛同するものではないが
9月1日付読売新聞の大きな報道 菅首相の突然の退陣表明には驚いたが、眞子さま結婚騒動の急展開にも驚いた。4年近く続いた結婚騒動は新たな局面を迎えたと言ってよい。 でも多くの人が勘違いしているかもしれないが、眞子さま年内結婚というのは正式発表があったわけではない。4年前の婚約内定報道もNHKのスクープで、正式発表前に過熱してしまったのだが、今回は読売新聞の報道がきっかけだった。しかも、前のNHKスクープと違って、9月1日朝刊の読売新聞1面トップ「眞子さま年内結婚」報道は、内容的には新しい話はほとんどない。これまで週刊誌が約1カ月近く報じてきたことを追認したものだ。 小室圭さんのニューヨークでの就職の目途がたったことで、眞子さまが皇籍離脱して渡米して結婚し、現地で生活するという、もう半年ほど前から検討されていたプランが具体的に動き出した。眞子さまが30歳になるなど、節目ともいえるこの秋、思い切
このところ知り合いの広告クリエイターを、思わぬ場面で見る機会が続いた。総務省接待疑惑騒動で国会に招致された東北新社の中島信也社長は、「日清カップヌードル」や「サントリー伊右衛門」のCMを制作したクリエイターだし、渡辺直美さんを巻き込んだ開会式演出騒動で統括責任者を辞任した佐々木宏さんは、ソフトバンク・白戸家やサントリーBOSSなど幾つもの人気CMを手がけてきた人だ。両人とも『創』の広告特集に登場いただいてきたし、佐々木さんは2021年4月号にも登場している。その中でこの1~2年はオリンピック・パラリンピックとの関わりについても語っている。 広告会社でクリエイターが一定年齢に達すると、管理職になるより現場にいたいという意向で退社・独立する人と、会社に残って経営にまで参画する人とがいる。佐々木さんは前者で、中島さんは後者だろう。佐々木さんは電通を退社して自分で会社を立ち上げ、CMディレクターと
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