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2005-08-24
大江の「あまりにも巨きい罪の巨塊」というフレーズはなんといってもデリダの「幽霊・亡霊」を思わせる... 大江の「あまりにも巨きい罪の巨塊」というフレーズはなんといってもデリダの「幽霊・亡霊」を思わせる。 えーと、id:noharra:20050122#p1 で次のようなデリダ論の一節を引用した。 また、亡霊は現れるだけではなく、つねに何かを語り出すものでもある。 (略)あるいは、ナチの強制収容所というおよそ証言不可能な場所から生き残った人が、長くまもっていた沈黙を破って語り出す言葉のことを考えてもよいだろう。だがこうした言葉は客観的な出来事の証言であるばかりではなく、さまざまに矛盾し、時間的に混乱したものとしても現れてくる。彼らの経験した出来事が、およそ単純に現前するようなものではなかったからである。デリダに言わせれば、こうした発言を受け止めることが亡霊の声に応えることである。亡霊の命令や約束は、つねに自己分裂・自己矛盾しながら容赦なくつきつけられる命令や約束なのである。(廣瀬) p119『