エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
記事へのコメント0件
- 注目コメント
- 新着コメント
このエントリーにコメントしてみましょう。
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
- バナー広告なし
- ミュート機能あり
- ダークモード搭載
関連記事
【特別エッセイ】市川沙央「前世の記憶」|文學界
予言癖がある。 最初のそれは五歳の時だ。風邪をこじらせて寝込んだ姉を前にして、何気なく私は言った。... 予言癖がある。 最初のそれは五歳の時だ。風邪をこじらせて寝込んだ姉を前にして、何気なく私は言った。 「早く入院させないと、お姉ちゃま死んじゃうよ」 翌日、病院に連れていく車の中で、姉は心肺停止に陥った。 予言癖があるのだ。 直近のそれは二〇二二年の八月である。個人的事件すら生起しない単調な日常生活の無限ループをくりかえす空間つまりエアコンの効いた自宅の居間で「何か面白いことない?」と飽きもせず訊いてくるのが日課の母に、三時のお茶を飲みながら私は言った。 「純文学を書こうと思う。この病気とグループホームのことを書く」 「そうすると何なの?」 「そしたら芥川賞が見えてくる」 見えていたのだろうか。 ところで私の母は「生まれ変わり」を信じる人である。そして何でもかんでも軽率に「○○の生まれ変わりなんじゃないの?」と言う。今年の三月に私が早稲田大学から小野梓記念賞を貰えることになった時も「あなた小