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吸い込まれそうな夜の黒に、目が慣れなくて【クロアチア・ドゥブロヴニク】|伊佐 知美
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吸い込まれそうな夜の黒に、目が慣れなくて【クロアチア・ドゥブロヴニク】|伊佐 知美
吸い込まれそうな、夜の黒だった。空と海の境が見えなくて、雲なのか、波なのか、風なのか、もう私には... 吸い込まれそうな、夜の黒だった。空と海の境が見えなくて、雲なのか、波なのか、風なのか、もう私には分からない。 遠くから、強い風が吹いている。対岸は見えない。ずっとずっと、海が黒く続くだけ。左側に、ぽつりぽつりと家の灯り。右側に、交通量の少ない道路。まっすぐ前に、やっぱりずっと、続く海。遠くに浮かぶ、おそらくとてつもなく大きいと思われる、豪華客船の灯り。 ここは、ロンドンでもなく、インドでもなく、今度は地中海、アドリア海に面する街・クロアチアのドゥブロヴニクだった。 この海がずっと見たかった。青い海にオレンジ色の屋根、照る太陽。 「どんな場所で暮らしたい?」と夫に問われて、いつも笑いながら答えていたのは、「海が見えて、ちょっと小高い丘の上で……そして風が気持ちよく通り抜ける場所」だった。 あぁそうだ、こんな場所のことを私は言っていた。 と、ドゥブロヴニクのムリニの海岸線沿いにひっそりと建つ、