『ひとりでカラカサさしてゆく』江國 香織 (著) 新潮文庫 あらすじ大晦日の夜、東京駅から近いホテルに集まったのは八十六歳の篠田完爾、八十歳の重盛勉、八十二歳の宮下知佐子の三人。 長い付き合いである彼らはバーラウンジで昔話に花を咲かせた後、ホテルの一室で猟銃自殺した。 なぜそんなことが起こったのか。 子や孫、友人たちは悲しみ戸惑い、そして彼らが知り得なかった個人の一面を知る。 三人の老人が送ってきた人生と遺族たちの思い1950年代の終わりに美術系の小さな出版社で出会った三人。 気が合い、よく一緒に飲んだり遊んだりしていて、会社が潰れたあとも勉強会と称して集まっていました。 その三人は大晦日にホテルの一室で猟銃自殺をしたのでした。 それぞれが遺書を用意しており、完爾が所有する猟銃で命を絶ったのです。 息子の東洋は冷静な父親が自殺という手段を選んだこと、それに向け準備をしていたことに驚きを隠せ