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9 美しいと感じる瞬間に、人は何を見ているのか(最終回) - 今日の芸術 2022
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9 美しいと感じる瞬間に、人は何を見ているのか(最終回) - 今日の芸術 2022
(約2000文字・購読時間3分) 夕暮れの空が、異常なほど美しく見えた瞬間がある。 特別な日ではなかった... (約2000文字・購読時間3分) 夕暮れの空が、異常なほど美しく見えた瞬間がある。 特別な日ではなかった。仕事帰り、疲れたまま駅のホームに立っていた。ふと顔を上げると、空がオレンジと紫の境目でゆっくり溶け合っていた。ただそれだけだ。写真に撮れば、たぶん数秒でスクロールされるような風景だったと思う。 でも、その日はなぜか動けなかった。 急いで帰る理由もあった。スマホには通知が溜まっていた。それでも数分間、ただ空を見ていた。 あとから考えると、不思議だった。 なぜ人は、ときどき立ち止まってしまうのだろう。 美術館でも、似た瞬間がある。ほとんどの作品は数十秒で通り過ぎるのに、ある一枚の前だけ、なぜか足が止まる。「好き」と言えるほど理由はない。でも気になる。もう一度見たくなる。説明できないのに、離れがたい。 あの感覚は何なのか。 「美しい」と感じる瞬間、人間の中では何が起きているのだろう。 この問

