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昔は茸
現実的指小説 「茸の中に人が入っていくんだ。おもしろかったよ」 動物園に茸の写真を撮りに行った夫が... 現実的指小説 「茸の中に人が入っていくんだ。おもしろかったよ」 動物園に茸の写真を撮りに行った夫が、帰ってきていきなり言ったことである。おかしくなったんじゃないかと思った。 夫は定年退職して、好きなカメラをもって旅行をするのが趣味である。最近、庭にはえた茸を見て、写真機をもちだし、やたら撮っていたと思ったら、その写真を友達の植物学者に見せたら、ほめられたと言って、茸にこり始めた。 年はまだそんなにいっていない。来年後期高齢者である。男性の平均寿命が83。それと比べればまだまだ若い。人によって違うのはわかるが、うちの夫はまだぼけないと思っていたのだが。 友人のだんなさんが、六十代で痴呆になりかかっていて、なんだかうちの旦那が心配になってきたところだ。 「あなた、なにがその茸に人が入るのをみたの」。聞きなおした。 てっきり別の意味があるのだと思ったのだ。 「いや、高校生くらいの女の子だった。友

