菩提樹

牛田壮一 菩提樹のやさしく母なる生命の、母胎の創造がやわらかくそよぐ青春の若い感動の流星。 知っているのか。私の内なる人間の懐かしさを。 懐かしくそっと母の柔らかい存在を思い、この菩提樹にそっと尋ねてみる。この菩提樹は何て美しく自立して自尊心があり、生命を知り、生命を生かし、存在とは何かを甘くやんわりと尋ねていた。 そんな私達は皆人間の子なのです。 人間の懐かしさをそっと青空に投げ掛ける。あなたに甘えていいですか。そんな情緒は今必要ではないのかしら。 そう、天空にすべてをあずけなさい。 天空はあなたの重荷を取り除き、さあ、来てますよ。そこにほらっ、この世で一番大事なあなたの御姿がいます。この世で最もめでたい事が起こったのです。 あなた、来てください。そう信じて、私はあなたを助けますわ。 そう、広がっていくね。 ねえ、暖かいね。ねえ、優しいね。 私、不思議、本当に。なぜ私はここにいるのかしら