敗戦直前の債務残高でもインフレが起きない理由

第三は需要である。供給力がないのに、国民は飢えて、日常生活物資にも事欠いているから、需要はいくらでもある。インフレになるのは当然だ。 翻って現在はどうか。財政赤字の主な原因は社会保障支出の増加である。基本的には、人々に年金としてお金を配っている。配られたお金は消費されているか、貯蓄されている。貯蓄されたものは日本か海外で投資されている。供給力は破壊されていない。貿易は自由である。国民は飢えているわけではないので、今、消費しなければ死んでしまうわけではない。消費するか、貯蓄するかの選択ができる。 政府は何をすべきか 財政赤字がいくら増えても、人々は貯蓄し、銀行には預金が集まる。銀行は貸出先がないので国債を買っている。結果として低金利は続く。物価も上がらない。この均衡はなかなか破られない。均衡を破るためには、人々が銀行預金と国債以上に良いものがあると認識することが必要だ。 消費しても良いのだが

[maturi]

企業国民が安心するためには、政府が危機を乗り越える途を示すことである。感染発生のリスクと感染コストが大きいところ、医療機関や夜の街を対象として集中的に感染防止策を講じ、経済活動を安全に再開できるのを示