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第68回岸田國士戯曲賞選評(2024年) - 白水社
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第68回岸田國士戯曲賞選評(2024年) - 白水社
池田さんの作品からは彼の生き方、彼が作品を創作せざるをえない業のようなものが感じられます。そうい... 池田さんの作品からは彼の生き方、彼が作品を創作せざるをえない業のようなものが感じられます。そういう作家は少ないと思います。この賞が弾みとなり益々ご活躍されることを心から祈っております。ただ、今回の『ハートランド』に関して私はさほど魅力を感じ取れず、推していませんでした。頭のなかで上演を想定しながら読んだとき、色々な要素が有機的に絡んでいる様子が浮かんでこず、他との比較のなかで特別輝いて見える作品だとは思えませんでした。ですが、他の選考委員の方の意見を聞いて動かされる部分もあり、池田さんという作家が受賞されることは良いと思ったので、最終的には授賞に賛成しました。 私は金子鈴幸さんの『愛について語るときは静かにしてくれ』を一番に推していました。私が率直に読後「なんかすごい」と思ったのがこの作品でした。最初は小さな世界のごく一部の人だけに通じるようなものかと思いながら読んでいましたが、作家が捉え