サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
TGS2024
www.kawamotoganka.com
なんだか、最近同じようなことを何度も書いていて気が引けるのだが、 やはりここはちゃんと発言しておかないといけないと思う。 大淀病院事件をご存じだろうか。 2006年、お産のため入院した妊婦さんが子癇発作と脳出血をおこし亡くなられた。 転送先がなかなか見つからず、医療体制の不備を示す事件として注目を集めた。 報道をきっかけに裁判がおこされたがこの3/1に遺族の請求は棄却された。 - この事件は毎日新聞がスクープとして報じた。 しかし、初期の報道内容には問題が多く、医師の多くは誤報として批判している。 毎日新聞は死亡原因がはっきりわからない段階から医療ミスとして報道。 CTさえ撮っておけば妊婦は助かったかのごとく主張→裁判で否定された。 さらに妊婦が数時間放置された、と糾弾したのだが、これは事実ではなかった。 そういう記事を読めば誰だって医師を非難したくなる。だから誤報は怖い。 - 後に出され
睡眠薬は簡単に手に入ります。かかりつけの内科の先生に眠れないと訴えれば、すぐに処方してもらえると思います。実は私も患者さんから頼まれれば条件付きで処方してきました。 しかし、睡眠薬はそんなに簡単に使って良い薬なのでしょうか? いろいろ調べていくと、現在最も使われているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は非常に問題がある薬であり、麻薬と同等の注意を払う必要があるとわかります。 できるだけ睡眠薬には手を出さないことが賢明です。私も睡眠薬依存の患者さんを新たに作り出さないために、今後新規にはベンゾジアゼピン系の睡眠薬を処方しないことにしました。 ベンゾジアゼピン系の睡眠薬 不眠の時に日本で最も使われているのはベンゾジアゼピンという向精神薬です。脳や中枢神経系を抑制する作用があります。 具体的な商品名では、ハルシオン、レンドルミン、ユーロジン、ベンザリン、デパス、セルシンなどです。 なお、マイスリーやアモ
不眠で悩んでいる人は多い。 特に高齢になると何らかの睡眠障害に悩んでいることが多い。 寝付きも悪くなるし(入眠障害)、眠りは浅くなる(途中覚醒)。 眠れないと、翌日がつらい。 眠気やだるさで仕事にならない。 大事な会議の最中に睡魔に襲われたりする。 --- 不眠に悩むと睡眠薬に手を出したくなる。 今一番使われているのはベンゾジアゼピン系睡眠薬。 効果の短いもの、長いもの、種類がたくさんある。 ハルシオン、デパス、ユーロジンなど。 安全性も高く、たくさん飲んでも死ぬ心配はない。 非ベンゾジアゼピン系睡眠薬というのもある。 マイスリー、アモバン、ルネスタ。 今のところ作用時間が短いものしかない。 日中の眠気やふらつきといった副作用を抑えている。 それでいて効果はベンゾジアゼピン系とほぼ同等。 ただ、抗不安作用はないので使い分けが必要。 薬価も高い。 --- 確かに、これらの睡眠薬は有効だ。 必
もともと左右とも同じ屈折状態の眼だったのに、ある時から急に片目だけ近視が進むことがあります。なぜ左右差が起きるのでしょうか? 環境因子や生活習慣などが原因であれば、右目も左目も条件は同じはずです。不思議ですね。 今回は、片目だけ近視が進むメカニズムについて一部仮説も交えて原因を考えてみます。その上で対策も検討します。 こどもの近視で片目だけ 一般に、こどもの近視は小学生~中学生の間に進みやすいことが知られています。特に小学校高学年くらいの背が伸びる時期に近視が進行しやすいのです。 近視がなぜ進むのかは未だ完全に解明されたわけではありませんが、大規模な疫学調査の結果、近業(近くを見る作業)を続けると進むとか、太陽光のもとで1日1時間以上活動すると近視になりにくいとか、環境因子や生活習慣の影響が大きいことが判明しています。 ふつう、こどもの近視は右目も左目も同じように進行します。当然ですね。遺
コンタクトでも、レーシック(近視手術)でも、白内障手術でも、普通は左右あまり度が違わないように合わせます。つまり、右目を正視に合わせるなら左目も正視に、右目を近視にするなら左目も近視にするのが一般的です。 左右とも度がそろっていたほうがバランスが良く、違和感も少なく、ものを立体的に見るにも好都合で、メガネも作りやすいからです。 ところが、わざと左右の度を変え、右目は正視、左目は近視にしてしまうことがあります。(もちろん右目は近視、左目は正視でもよい) この方法をモノビジョンと言います。なんでわざわざそんなことをするのでしょうか? そんなことをして大丈夫なんでしょうか? この方法の利点と欠点をご紹介いたします。 老眼とはピント調節力の衰え ピントを調節する力は歳を取ると衰えます。このことを老眼と言います。 正視の人は若い時は遠くも近くも見えますが、老眼になると近くが見えなくなり、45歳頃から
「3日前にまぶたの裏側にゴミが入って取れない」という訴えで受診したAさん。昨日は大きな病院の眼科にかかったそうですが「ゴミなんかないよって目薬をくれただけなんです」となんだか不満そう。「でも確かに何か入っているんです。先生、取ってください!」 これ、実はよくあるやりとりです。このように何かものが入っている感覚を異物感と呼んでいます。異物感があっても本当に異物が存在することは少ないのです。どうしてそんなことが起こるのでしょうか? 角膜表面には知覚神経が圧倒的に多い 黒目に触ると痛いですよね。ちょっと触っただけで飛び上がってしまいます。ティッシュみたいな柔らかいものでも我慢なんてしていられません。えっ、怖くて触ったことなんかないって?なるほど。 でも、砂ぼこりが入った経験ならおありではないでしょうか。痛くて痛くて涙がぽろぽろ出てきて目を開けていること自体が難しくなります。あるいはさかまつげにな
緑内障の診断方法が変わり、昔にくらべてたくさんの人が緑内障と診断されるようになりました。緑内障の疑いがあり、半年に1回くらい定期的に診察を受けている人もたくさんいます。 ところが、緑内障の場合は禁忌(使ってはいけない)と添付文書に記載してある薬がたくさんあります。 かぜぐすり、せき止め、抗ヒスタミン剤、睡眠薬、胃薬の一部など・・・ これら全部を本当に使ってはいけないのなら、ものすごく不自由なことになります。 さて、いったいどうしたらいいのでしょう? 緑内障だと風邪薬がのめない? 添付文書を読むと、「緑内障の人には禁忌」と書いてあることが結構あります。「狭隅角緑内障の人には禁忌」と書いてあることもあります。 緑内障禁忌のくすりのうち最も使うことが多いのは抗ヒスタミン剤でしょう。かゆみどめとしてよく使われ、花粉症の時にお世話になる方も多いでしょう。風邪薬にもよく入っています。 ということは、緑
一昨年、新型インフルエンザ(A/H1N1)で大騒ぎしたことは記憶に新しいところです。マスコミに煽られて日本中がパニックになり、大流行になって死者がばたばた出るのではないかと怯えていました。 役に立たない「水際防衛作戦」に巨費が投じられ、案の定失敗しました。 ワクチンが不足し、優先順位が決められたため、ワクチンの争奪戦が繰り広げられました。 開封後24時間以内に使用しなければならないため廃棄寸前のワクチンをお孫さんに打った医師が極悪人のように非難されました。ワクチンは約1000億円をかけて緊急輸入され、実際には大半が使われず期限切れになったそうです。(もったいない!税金返せ!) 騒動から1年経って、今度はインターネットなどでインフルエンザワクチン否定論が話題になっています。インフルエンザワクチン賛成派と反対派の議論は今に始まったわけではなく、昔から延々と続いてきました。 私は眼科医で、患者さ
マイボーム腺って、いったい何でしょう? 実は、目のまわり、まぶたのところに60個くらいもあるんですよ。油を分泌して、涙が蒸発するのを防いでいます。 歳をとると眼の調子がおかしくなって、「ショボショボ」「シバシバ」「ゴロゴロ」して不快感があるのは、どうやらマイボーム腺の働きが悪くなっているのも関係しているらしいんです。 マイボーム腺とは? マイボーム腺はまぶたのふちのところにあります。上下のまぶたにそれぞれ30個くらいあり、開口部がふちのところにほぼ一直線に並んでいるのですが、鏡で見ても肉眼で見分けるのはちょっと難しいと思います。 油(脂質)を分泌していて、この油がまばたきで涙の表面にひろがり、涙が蒸発するのを防いでくれています。まぶたを圧迫すると、マイボーム腺から油が出てくるのを観察できることがあります。 皮膚には皮脂腺というものがあります。ふつう毛穴のところにあって、油(皮脂)を出してい
ベンザルコニウムは目薬の防腐剤です。眼科の治療上なくてはならないものです。反面、多くの眼科医がベンザルコニウムを目の敵にしています。ベンザルコニウムは必要悪なのです。 今回は、ベンザルコニウムを減らし、なくすための取り組みについて取り上げます。 目薬の8割に使われている 塩化ベンザルコニウムは「逆性石けん」として知られています。細菌の細胞膜のタンパク質を変性させることによって殺菌力を発揮します。 ベンザルコニウムは目薬の防腐剤として非常によく使われています。目薬の容器中に細菌やカビが繁殖しないように、目薬には防腐剤が添加されているのですが、そのうち8割までがベンザルコニウムです。つまり、5本の目薬があれば、そのうち4本に入っているわけですね。 それだけ防腐剤としての効果は強力で、目薬の保存性を高めるためにベンザルコニウムはなくてはならないものと言えるでしょう。 角膜上皮障害をおこす ベンザ
「充血をとる」効果をうたった目薬には、たいてい血管収縮剤が含まれています。 血管収縮剤をむやみに使用することには問題が多く、お勧めできません。ふだん使う目薬は、血管収縮剤を含まないほうがよいのです。 薬局に行くと、目薬がたくさん並んでいます。その中には、「充血をとる」効果をうたったものがたくさんあります。 そういう薬は、さしてみると確かに目が白くなります。なんだか効いたような気もしてきます。 こういう目薬には、たいてい「血管収縮剤」という成分が入っています。点眼すると、血管を強制的に収縮させるので、充血が引き、赤かった目が白くなります。 血管収縮剤には、塩酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリンなどがあります。成分表示で確認して下さい。 見かけだけ白くなっても 血管収縮剤は、市販の薬にはよく使われている成分です。5~6種類の成分が混合してあって、その中の1種類が血管収縮剤
2024年3月26日 高額療養費制度 自己負担額には上限があります。(収入による) 限度額を超えた分は手続きをすれば返金されます。最初から限度額超過分を支払わなくてすむ方法が2つあります。1)が簡単ですのでお勧めします。 1)マイナンバーカードで受診する 2)限度額適用証を事前に取得する 2023年3月13日 オンライン資格確認について ・当院はオンライン資格確認を行う体制を有しています。 ・当院はマイナ保険証を活用し薬剤情報や特定健診等の診療情報を取得・活用しています。 医療情報・システム基盤整備体制充実加算(初診時) ・加算1 4点 ・加算2 オンライン資格確認等により情報を取得した場合2点 当院は診療情報を取得・活用することにより、質の高い医療の提供に努めています。正確な情報を取得・活用するため、マイナ保険証によるオンライン資格確認等の利用にご協力をお願いいたします。
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『川本眼科(名古屋市南区)』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く