■たとえば「図書」 Book、書籍、書物、本と同義語とされる「図書」という言葉がある。これは図書館学の専門語でもあるが、もちろん一般語でもある。 ネット上で専門用語集もただで引ける辞書データベースDB「コトバンク」で検索すると、「絵図と書物。多く、書物・書籍の総称として用いられる。ほん。ずしょ。」(精選版 日本国語大辞典)といった一般語としての意味や、図書館学用語としての意味もわかる。 けれど、なぜ「絵図」と「書物」の意味だったのに、現在「書物」の意味にしか使わないようになっているのかの説明はない。 ある単語の意味の変遷などを調べようと思った時に、ふつうの辞書や事典を引いても、事物そのものの話がでてくるばかりで、「図・書(ずしょ)」がなぜいつごろ「図書(としょ)」になったのか書いていないのだ。 ■「語誌」とは語源や言葉の意味の変化 「語誌」という専門語がある。「ある言葉の起源や意味・用法な