※以下、『チェンソーマン』最終話までの重大なネタバレをふくみます。ご注意ください。 はじめに マキマを食べるデンジ(藤本タツキ『チェンソーマン』11巻 第96話, 集英社, 2021年) 『チェンソーマン』は、主人公デンジが宿敵マキマを食して、その幕を閉じる。 それには一応理由がある。「内閣総理大臣との契約により」、マキマへの「攻撃は適当な日本国民の病気や事故に変換」される*1。そこで「攻撃」以外の手段でマキマを倒すため、デンジはマキマを食したというわけだ。 しかし当然、疑問は残る。 なぜ「食べる」ことは「攻撃」ではないのか、結局のところどうしてマキマは復活しなかったのか。それについて岸辺は「契約内容化認識の問題をたまたま上手くつけたんだろうな」としているが*2、当のデンジはこう言っている。 俺はマキマさんを傷つけるつもりなんてないんです そう本気で思ってるんすよ 俺はマキマさんを食べて一