自民党総裁選では、石破茂元幹事長が「金融所得課税の強化」を、河野太郎デジタル相は「財政規律」を強調している。茂木敏充幹事長は「増税ゼロ」と発言してはいるが、緊縮財政や金融引き締めを好む政治家が多いのはなぜだろうか。 昭和の時代は、高度経済成長をしていたので、政治家は「財政」をそれほど意識しなくても、「使う人」でいられた。当時の政治家で、財政規律を主張する人はあまりいなかった。 平成になってから、成長がガタンと落ちた。この要因は、金融引き締めと、緊縮財政による公共投資不足であるが、官僚たちはそこに触れずに「財政規律」を言い出した。その際、政治家に対して「財政規律を言わずに財政支出を言う人は無責任」というレッテルを貼った。 官僚はマスコミにもそうした説明をしたので、「財政規律を言わない政治家は無責任」というイメージが広がった。また、徹底して学者の取り込みを図ったので、平成になってからの成長鈍化