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イエイツの『記憶術』を読む #5
第六章 ルネサンスの記憶術――ジュリオ・カミッロの〈記憶の劇場〉 記憶術の歴史をめぐる当初もいよいよ... 第六章 ルネサンスの記憶術――ジュリオ・カミッロの〈記憶の劇場〉 記憶術の歴史をめぐる当初もいよいよルネサンスに本格突入、いきなり〈記憶の劇場〉の設計者であるジュリオ・カミッロについてイエイツは書き始めています。カミッロの〈記憶の劇場〉(円形劇場)がどのようなものであったのか、については『哲学的建築』という本を読んだときにもこのブログで紹介しています*1。 ……彼らはこの男が円形劇場とやらをつくったと申し述べております。何やらすばらしいからくりで、その中に観客として招きいれられた人は、どんな主題を巡っても、キケロはだしで弁ずることができるとのことです。(P.164) イエイツはこの章の冒頭でヴィグリウス・ツイケムスという男が書いたカミッロの円形劇場についての報告を引用していますが、これもなかなか魅力的な紹介になっていますねえ。これはヴィグリウスがエラスムスにあてた手紙なのですが、そのなかで