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TGS2024
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EBMという概念が紹介されてから十数年経ち,ようやく日本でもEBMが根づいて実践されようとしている。EBMの根幹をなすのは,その名のとおり大規模臨床試験による信頼性の高いエビデンスであるが,そのエビデンスは10年以上前から欧米を中心として集積されてきた。とくに高血圧に関しては,現在使用されているおもな降圧薬である利尿薬,β遮断薬,α遮断薬,Ca拮抗薬,ACE阻害薬,そして最近のAII受容体拮抗薬に至るまで,一通りエビデンスはそろったかにみえる。 しかし,EBM情報に関して最近気になる点があり,2,3指摘したい。エビデンスすなわち大規模臨床試験のほとんどは製薬会社のサポートを受けているという事実がある。自社製品のエビデンスを証明することは不可欠であり,また試験の実施には多大な資金が必要になるためやむを得ないことではあるし,製薬会社のサポートが現在のEBMの実践に貢献してきたことも事実である。
――最近,さまざまな領域で診療ガイドライン作成の動きが活発です。 しかし,その作成方法にはばらつきがあり,先生も関わられた「ガイドラインのガイドライン」と言われるものまで作成されました。 これらは,90年代に登場したEBMやシステマティック・レビューの発展とも関連づけられます。 はじめに,EBMとエビデンスレベルの最上位とされるメタアナリシス,システマティック・レビューの関係について整理していただけますか。 エビデンスを中心とした全体の流れは,エビデンスを「つくる」「つたえる」「つかう」の三つの局面に分けられます(図1)。 「つくる」とは,言うまでもなく臨床試験を中心とした臨床研究のことです。 「つかう」のは,(1)医師,薬剤師など臨床現場での医療従事者,(2)行政官や診療ガイドライン作成者, 製薬企業や医療機器の企業で開発に携わる人々などの,集団を対象とする医療従事者。 そして(3)患者
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