命こそ宝 中学3年辻田真弘 僕は、父を小学校に上がる前に、亡くしています。父は過労自死でした。 父は、市役所で働いていました。市の文書を扱う大切な仕事をし、係だけではけっしてできない大きな仕事を任され、毎日、仕事の相談に来る職員が後を絶たず、それにも父は親切に答えながら、毎日16時間以上仕事をしました。 胃潰瘍になりましたが、仕事をたくさん抱えた状況では休む余裕もなく、通院しながら土日も出勤していました。議会に提出するための資料を必死で作り上げた時、あまりの忙しさに、たった一つ部下に任せた所に、間違いを見つけました。 そのまま条例になってしまうことは、大きな問題です。でも、やり直す時間はない中、心身ともに追い込まれて、父は命を絶ちました。 最後に、父は、11通の遺書を残しました。 僕がこの遺書を初めて読んだのは、小学5年生になる春休みのことでした。多くの人の支えの中、父の死が公務災害だと認