★(4) 岩手県陸前高田市の“内陸部”に位置する横田町で今年6月、同町で初となる避難訓練が行われた。土砂災害を想定した内容だった。 県内最大の大津波被害を受けた陸前高田。外部から見ても「海とともにある町」のイメージが強いだろう。実際、同市における訓練といえば、これまでは津波を想定したものだけだった。だが、 「今は津波よりも、大雨のほうがずっと怖い」 こんな言葉が、ここ2年くらいの間に何度も聞かれるようになった。議会報告会や住民懇談会などでも、川の浚渫(しゅんせつ)や、雨水排水対策を求める声が必ず上がる。 被災者が高台へ移転するため、市内では山を切り崩し土地を造成してきた。森が次々と丸裸にされ、山の「保水力」は著しく低下している。事実、雨が少し長く続いた後、下流域に大きな石や切り株などが流れ着くなどし、ぞっとすることが増えた。 震災前とは明らかに違う-。「津波よりずっと高い確率で、次に起きる