両親と独身の姉、そして自分の家族とにぎやかに暮らしてきた広い家。時は流れ、両親と姉は亡くなりましたが、娘の結婚が決まり、二世帯住宅の計画が持ち上がりました。娘の夢を実現すべく奔走しますが、売却予定の土地には、亡姉の名義が残っており、亡き兄の子たちと遺産分割協議が必要となりました。しかし、兄嫁と甥たちの対応は冷たく…。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに解説します。 今回のご相談者は、70代の片岡さんです。片岡さんは3人きょうだいの末っ子で、長男、長女、次男という構成です。長男と片岡さんは結婚して子どもがいますが、姉は独身を通し、ずっと会社員として働いていました。片岡さんが暮らすのは両親から受け継いだ実家の跡地で、千葉県の風光明媚な場所にあります。土地は200坪近くとかなりの広さです。 長男は就職の際に実家を離れましたが、独身の長女はずっ