仙台市宮城野区五輪の仙台大志高で、幕末期に印刷されたとみられる松尾芭蕉「奥の細道」の古書が見つかった。地区住民に公開しており、同校は「地域史に関心を持つきっかけにしてほしい」と期待する。 古本はB5判、113ページ。和紙をひもでとじ、漢字仮名交じりの古書体で書かれている。紙の破れや傷みはない。 昨年5月ごろ、図書室の整理の際、七つある移動式本棚の一番奥に立て掛けられていた。所蔵の時期や経緯は分からない。現在はビニールで密閉して司書室で保管しており、希望に応じて公開している。 閲覧のため同校を訪れた近所の無職岩尾信之さん(77)は「芭蕉の足跡を想像すると楽しい。久しぶりに現代語訳で読みたくなった」と喜ぶ。 宮城県図書館などによると、奥の細道は1702(元禄15)年、木版印刷で発行された。仙台大志高で見つかった本は1789(寛政元)年ごろ作られた版木が使われ、文字のかすれ具合から幕末期