日々多くの文章に囲まれて生活をしているが、彼らが私に与えてくれたものはなにひとつない。そして私が彼らに与えられるものもない。そうであってほしいと願う。皆、もとから何かを持っており、それを捨て去ることはないし変化させることもしない。変わらないということが重要であり当たり前であり真だ。 一週間が終わった。今週も鉄を削っていた。彼らはなにも言わないため、こちらから語りかける必要がある。一振りごとに調子は、どうだい、調子は、どんなだい。と。いや、誇張した。私がやったのはボタンを押すこととドアを開けることくらいだ。あとは全て機械がやってくれる。待ち時間はお絵描きと図画工作をしていた。車の運転をそろそろ頑張らないといけない。会社は教習所にもなる。 (暗転) いま、量子力学について勉強しているんだと言ったら、え、漁師力学?なにそれ?と聞かれた。私は脳の三割ほどを釣り針のモーメントの行き先で埋め、残りを漁