北京、上海を取材で回った今回の中国出張は、これまでにない苦痛に満ちていた。 20メートル先さえ霞む深刻な大気汚染のせいか、ずっと咳が止まらない。だが「苦痛」の理由はそれだけではない。記者をもっとも苦しめたのは、「何もかもがやたらに高い」ことだった。 たとえば取材の合間に立ち寄ったスターバックス。注文したラテのトールサイズは27元だった。1元=18円換算なら486円で、日本の価格(370円)に比べて3割増しだ。しかも実際に現地で使ったレートは為替手数料を含むため、1元=19.6円。つまり、この1杯のラテは529円に相当したのだ。ちびりちびりと、いつもよりも大切に飲んだ。 ユニクロのシャツが日本の1.8倍 中国で急速に増えているユニクロでも、日中の価格差に驚かされた。女性向けのフランネルシャツは199元で、18円換算なら3582円だ。同じ商品の日本国内での価格は1990円だから、1.8倍の価格