ペッパーは、面白いが実用的ではない日本製ヒト型ロボットとして、ホンダのアシモとソニーのキュリオの仲間入りしそうだ。開発に関わった技術者らによれば、成功に必要な要素はそろっていた。しかし、意思決定のまずさで機会をつかみそこねたという。 ソフトバンクはフランスのロボット開発会社、アルデバラン・ロボティクスを12年に買収したが、両社の文化はかみ合わなかった。日本人社員らはアルデバランの従業員が休暇で何週間も不在となることに腹を立てたし、フラットな組織に慣れたアルデバラン社員は何層にも積み重なる管理職たちに決定を覆されるのに不満を抱いた。 ソフトバンクはソフトバンクロボティクスを設立し、事業部門と技術部門の責任者を指名したが、同社で1年間、人工知能(AI)研究に携わったアンドルー・ギャンバーデラ氏は「基本的に、ロボット工学やAIについて理解していないプロジェクトマネジャーが会社を率いていた。ビジョ