「ひとハコ図書館」からはじめる新しい図書館 1.はじめに 公共図書館は地域に暮らし生活する人々(市民)のためにある図書館である。筆者の勤務する東久留米市立図書館(以下当館)は,1971年の開館以来,多くの事業において市民と協働して運営してきた。公共図書館に「課題解決」の役割が求められるようになり,当館も今後のあり方を検討する中,利用者懇談会や図書館協議会の場とは別に,市民が図書館のことを考えられるような場を設けたいと考え,2015年5月31日に「図書館フェス2015」を開催した。本稿はその構想から開催までを運営側から紹介するものである。 2.図書館フェスの構想 企画の目的は主に次の4点であった。(1)東久留米市が図書館の「主権者」である市民の意向を運営に生かすため,市民が様々な意見を出し合うこと,(2)市民が他の図書館の動向を知り,必要なサービスを提案するために学ぶこと,(3)市民と東久留