『関口存男著作集』より、日本語からドイツ語への翻訳に関する、漫談形式の記事を選んで一冊にまとめました。 皮肉屋でクセが強いけれどもユーモアたっぷりの「先生」と、和文独訳の難問にくらいついていく「生徒」たちとの丁々発止のやりとり、「大先生」と「小先生」との会話など、教室での様子を髣髴させる文章は、演劇に造詣の深い著者ならではです。楽しい読み物としての側面もさることながら、外国語で表現するにはどうすればよいのか、そもそも外国語に移すとはどういうことなのか、ドイツ語界の泰斗、関口存男の言語観や人間観をも垣間見ることのできる一冊です。 ドイツ語がわかり始めた方にはもちろん、長くドイツ語に取り組んでいる方にとっても多くの発見があるのではないでしょうか。 収録内容 ・和文独訳漫談集(1958年1月20日初版) ・和文獨譯漫談 雨傘論(『獨文評論』1935年5月号) ・和文獨譯漫談 またしても形容詞の語